メディアの適正規模
タイトルがややミスリーディングな気もするが、まとめてみるとなかなか示唆深い。
インタビュー:渡辺聡氏「メディアはどう変わるか(5)――メディアの適正規模とは」(FACTA Online)
情報の流れが双方向になった瞬間、サービスはスケールするけれども、狭義の「メディア」はスケールしないということをmixiは示している。メディアをスケールさせるためには、少なくとも一次的な発信者側と受け手のレスポンスとに非対称性を持たせることが必要。
とはいえ、あからさまな情報非対称のサービス、つまり旧来型マスメディアは、それこそ井戸端会議のネタもとの地位でもゲットしない限り、サービスとしてのネットワーク外部性が働かないため、そもそもスケールしなくなってしまう。
ネットサービスが黒字化するラインというのは、意外に普遍的でUU20万人がボーダーである。つまりそこまでは対称性を上げていかなければならないわけで、それと情報の流れの質をどう維持するかという問題とは、バランスを取るのが非常に難しい。
限りなく下辺の層まで取り込もうというのなら、徹底して完全な対称性を実現すればいいわけだが、実際にそこまでいくとメディアとしてのプレミアム性というか、そのメディアが表象する読者集団のプレステージ、つまり広告媒体としてのブランド価値はゼロになる。トラフィックが発生はしているのでノンブランドの広告まで含めれば収益を発生させることはできるが、認知広告だけでサービスのランニングコストを大幅に上回る収益を上げようとするのは、もはや困難だろう。少なくとも、これまでのマスメディアが享受してきたようなべらぼうな超過利潤は、望むべくもない。
したがって、サービスのスケラビリティ、つまり情報の対称性と、サービスの品質、つまり情報の非対称性のバランスの設計が、今後のネット上のメディアビジネスのKSFってことになる。とは言いつつ、この構図もあくまでテキストに限定した話だし、動画の爆発的普及とか、電子ペーパーの技術革新など、どこか1つのレイヤーを揺さぶるマクロ状況の変化が何か1つ起こった瞬間に、もろくも吹き飛んでしまうことになるのだろうけど。
なーんてことは、もう分かってる人にはとうの昔に分かってるし、分からない人にはこの程度の説明では永久に分からないのでどうでもいいや。続きはmixiで。
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コメント
> ネットサービスが黒字化するラインというのは、
> 意外に普遍的でUU20万人がボーダーである。
当方、携帯ネットのキャリア公式サービスを営んでおります。
機会があれば、PCネットのサービスに進出したく、
こういった数字には、非常に興味がございます。
PCネットのサービスで、UU20万人が
月商で如何程になるのか、
差し支えなければ、ご教授頂けないでしょうか。
投稿: kwai | 2006/09/17 01:07
>タイトルがややミスリーディングな気もするが、
シャチョサンいっつもソレやん。気にせんとき。
投稿: ハナ毛 | 2006/09/17 06:48
>限りなく下辺の層まで取り込もうというのなら、
2ちゃんねるの変遷が事実を物語るでしょ。
投稿: ハナ毛 | 2006/09/17 06:49
>続きはmixiで。
こっちをタイトルにしたほうがミスリード少なくて良かったかもね。頑張ってね。
投稿: ハナ毛 | 2006/09/17 06:51
>kwaiさん
ネット広告代理店の人に聞けば教えてくれますよ。
投稿: R30@管理人 | 2006/09/17 07:57
ご回答ありがとうございます。
> ネット広告代理店の人に聞けば教えてくれますよ。
C.A.社とか、C.C.社とかでも良いのでしょうか?
たまにご営業にお見えになるので、
PCネットサービスについて、お教え頂いているのですが、
お見えになる方がいつも違うせいか、聞く度に違う数字をご教示されるので、
いまいち信用できなく思っており、いろいろな所でお尋ねしている次第でございます。
お騒がせして、申し訳ございません。
投稿: kwai | 2006/09/19 00:28
あら、mixiのほうもやってたんすか
投稿: 通りすがり | 2006/09/19 09:30
タイの件について読みたいなあ。
投稿: タクワン | 2006/09/20 16:34
>タクワンさん
mixiでコメントしましたが、特に新しいネタはないっす。
投稿: R30@管理人 | 2006/09/20 18:11