ソフトバンク孫正義社長 会見速記録
期間限定で削除します。とりあえずネット中継を見ながらメモったのをアップ。最初のほうとか、聞き取り間違ってるところもあるかも知れないので、使う時には注意・裏取りを必ずしてください。
ソフトバンクの孫です。これまで創業してから20年、いろいろな事業を開始・買収し、5~6年前からブロードバンド事業を開始し、一日も早く携帯電話事業をやりたいと強く思っていた。いろいろな選択肢を検討してきた。自前の新規ネットワーク、MVNO、買収など様々な検討をしたが、今日正式にVFJの株式を買収すると決定した。少し待たせたのは契約の文言についての詰めをしていたから。この後アルーン・サリン氏が電話であいさつをしてくれることになっている。無事回線がつながれば。
買収成立まで随分交渉したが、SB・VFの両方から見て納得のいく内容になった。VFから見れば日本からの撤退ではなく、私どもと新たなジョイントベンチャーを設立するという方向で検討した。
(サリーン氏の電話コメント)
VFJの概要については書類でお渡しする。買収の方法は、SBの全額出資子会社が行う。エンティティについては、詳細を詰めているところ。VFJの株式の97.7%を、新会社が約1兆7500億円で買い取る。2.3%は少数株主がいるが、TOBで買い取る予定。今日調印し、1~2カ月後までに詳細を詰める。新会社はSB自身が2000億円出資で新会社を設立。
そこから無議決優先株式を発行して、ヤフーに1200億円、英ボーダフォンに3000億円割り当て、さらに英VFに1000億円の劣後債を発行。そこに銀行等からLBOで1.1~1.2兆円を借り受け、VFJを買収する。
まず最初にブリッジローンをやり、買収後に新会社が長期の社債、借り入れ(シンジケート、メザニンローン)を使って設備投資をやっていく。これらの借り入れのすべてはノンリコースとなる。SB自身は一切の返済義務、つまり借り入れのリスクを負わない資金調達方法となる。今年9月までに長期借り入れに転換する。従来のSBグループは連結有利子負債が4700億円。過去9カ月の連結EBITDAを1年分に換算すると、1200億円ある。これで従来の順有利子負債を返済し、新たな有利子負債は返済原資を分離し、VFJの年3000億円の営業キャッシュフローを使って独立返済することになる。
売上高で2.5兆円、回線数で1500万。これにY!BB、日本テレコム、ヤフージャパンなどをミックスしていく。私がイメージした「デジタル情報革命」のための構えが一通りできてきたという感じ。
NTTグループ、KDDIグループと比較して、SBグループの世界300社の企業が、デジタル情報革命のパワーとして役立ってくれる。
買収メリットとして、顧客基盤(国内1500万、JVで1億のVFグループ)がある。新規参入に比べてはるかに多くのベースからスタートできる。それに加えて、VFはバックボーンのネットワークを自前で持っていない。日本テレコム、Y!BBなどがもつ自前のネットワークを、VFも使うので、この部分が大きなコスト削減になると考える。
さらに、アクセス回線のフルラインナップがそろい、いつでも誰でも情報のやり取りができる。NTT、KDDIは音声については立派なネットワークを持っているが、データについてはVFとSBグループのほうが他のグループよりも先を行っていると言える。
BBネットワーク、モバイルネットワークが、IPのネットワークで全部つながる。オンデマンドでユーザーの望むものが望む時に使えるというものになる。ネットワークの内容は、WBMのネットワーク、超高速光ネットワーク、世界的に見てもこれだけの完全なネットワークを持ち、しかもコンテンツを持っているグループは他にないと自負している。
端末調達は自前でするとなると茨の道だと思っていたが、VFとの提携で端末品揃えも一気に加速できる。もともとSBが考えていた機能を盛り込んだ端末をこれから続々用意していきたい。
次にシナジー効果だが、お客様にトータルパッケージを提供できる。
営業体制は、VFに1800店の専門ネットワークがある。一方、SBは家電量販などに強いネットワークがあり、ヤフーも強い代理店網を持っている。ブロードバンドも携帯も両方でたくさん売れる。インターネットユーザーを獲得しやすくなると考える。
ヤフージャパンとのシナジーは、コンテンツの販売だ。井上社長に発表してもらうが、ヤフーの強みを全面的に活用していきたい。モバイルコンテンツの充実を図って行きたい。月間300億PVを超えるトラフィック、4200万人のユニークユーザーと、1500万人のVFのユーザーが相互のシナジーを起こせれば大変大きなエンジンになると思う。ちなみに、ドコモの公式サイトのコンテンツは5800、KDDIは4300だが、ヤフーの携帯コンテンツはこれをはるかに超える量、インターネットのサイトも含めると何億サイトという、桁違いのサイトがあり、これらをスムーズに携帯で使えるようになると、インターネットユーザーから見て大変満足できるサービスが提供できるのではと思っている。
最後にVFグループとSBグループでジョイントベンチャー設立を検討するというLetter of intentを調印した。世界を見ると、VFのユーザーは5億人。世界の携帯ユーザーの4分の1がVFのユーザー。このVFグループとコンテンツを持つSBが世界的なジョイントベンチャーを作れないかという提案があり、ちょうどそれは作りたいと思っていた、という返事をした。その方向で検討していくつもり。
世界的なVF live!のユーザー数は3000万だが、潜在的なユーザーの数はVFが圧倒的に大きく、SBの持つコンテンツとVFが組めば、世界にインターネットユーザーの倍いる携帯ユーザーへの道が開けると考える。SB、VFグループを足すと膨大な量の市場があり、チャンスが開けてくると目論んでいる。
たとえば、Eコマースではオークションやショッピングがあるが、ドコモやKDDIはこれらのECからの収入はほとんどない。しかしヤフーはこれらの手数料収入が合計で600億円ある。VFと組めば将来のマーケットは大変大きい。日本のモバイルポータルを世界のポータルにしたい。
VFLive!は、VFJで作ったものがベースになって欧州などでも展開されている。日本の携帯事業を我々に売却するということは、VFにとって先進的なマーケットとのつながりがなくなるというのが、交渉の最初に言われていた。もしVFとSBが組めば、先進的なマーケットで我々がもっと強化したサービスを、VFのワールドワイドのサービスに展開できれば、撤退ではなく強化だということで思惑が一致した。
固定と携帯の融合で、我々が目指すのは「ユビキタスな総合デジタル情報カンパニー」。決して「総合通信会社」ではない。そういうふうに言わないで欲しい。それは我々の志からすると、ちょっと小さい。
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