ファイナンスした人が責任取れば?
つらつらとウェブを巡回していたら、D通の高広さんが今日をもって辞めますという報告をブログにアップしてるのを発見。藤代さんがまとめた『ブログ・ジャーナリズム~300万人のメディア』の対談で末席を汚させていただいた時に同席してしゃべってみて、「同じぐらいの歳なのに世の中にはすごい人がいるもんだ」と感動したことを思い出した。報告エントリを見ると、「広告業界の明日を考えすぎた」とか書いてある。これもブログで辞めたの一例になるのか?なんつって。次どこに行くのか、激しく気になる。
それはおいといて、例のマンションの耐震強度偽装の件は、何かこの機会にみんなカミングアウトしちゃえという感じで、収拾がつかなくなってきた感があり。踊る新聞屋氏がブログ界の反応、主要メディアの動向などを総括しているが、まあ実際業界みんなで「オレも、オレも」ってここぞとばかりに暴露しまくりながら、国交省の公的資金税金投入を待ちわびてるんじゃないかね。
(12/17 6:10追記)悪徳不動産屋さんが同じことを書いていた。こっちの方が現実的な手だてかも。勉強になる。
昔、某大手ゼネコンの債権放棄の記者会見に行ったことがあるが、その時見た社長は、言葉は丁寧なんだけど顔はいかにも「こんだけ政治家のためにいろいろしてやってんだから税金くれて当たり前だろ」みたいなことが書いてあるように見えるほどふてぶてしく、記者連中が「経営責任はどう取るのか」「世間の感覚とはずれていると感じないのか」とかいろいろ詰問しても罵声を浴びせても、顔色一つ変えなかった。建設業界っていうのはこういう鉄面皮な人が偉くなる業界なんだーと、不思議に感心した覚えがある。
今回の事件に関してはいろいろな意見があるだろうけれど、僕は実際に強度不足を指摘されたマンションの住民の方の書くブログを丹念に読んでいて、この人(gskay氏)が言っていることが一番冷静でかつ的を得ていると思う。正直、この事件を報道するメディアを含め、関心があり、何かを言いたいと思う人たちはそこに書いてあることをきちんと読んでから言うべきだろう。
gskay氏の論点は非常に明快だ。この問題の本質は、ファイナンスである。建築基準法がどうたらという議論をしている人が多いけれども、それはどうでもいい。行政のさじ加減で法律の細かいところを決めていた時代の名残の法律が、チェック業務自体の民営化に対応した細かい規定などを持たずに規制緩和が走り始めてしまったので云々というのも、よくある話である。
新しい状況に合わせて法律をまったくのゼロから1本書くならまだしも、古い時代にガラス細工のようにして作られた法律を、状況の構造的な変化に合わせて書き直すというのは、たぶん4~5人の官僚の気を狂わせて死に追いやるほど大変な作業だろう。それができてなかったというのも、国交省の官僚を責めたてる口実にはなろうが、だからといって目の前の問題を解決する手だてにはならない。
規制緩和、民営化というのは、何もかもが行政の仕事ですねと役所に帳尻を持っていき、誰かがミスしたら税金を払えと喚き、行政はミスをあげつらわれないために際限なく人を増やし手続きを煩雑化し、最後にはほとんど誰も通れないような迷宮のごとき手続きのトンネルに何百人もの役人が通ろうとする人間を突っつき回すためだけに張り付いているという事態を改善するために行われる施策である。
いや、今回の建築確認の民間開放が間違いでござんした、やっぱり役所でやった方が正確、効率、無謬でござんす、という手のひらを返したような結論を立法府が出すのならそれはそれで仕方ないなと思うけれども、だいたい今回申請をチェックしていた人って全員自治体からの天下りノンキャリだったんでしょ?仕事を役所に戻しても彼らがまた机を民間企業から役所に移すだけだと思うよ?それで何が変わるの?という気がする。
一度民間に任せたことは、とにかく最後まで民間でやらせればいい。ただし、いくつか原則をはっきりさせておくべきだと思う。一つは、こういう時に一番立場が弱い、だからツケを回されやすい「個人」には、消費者保護の観点からツケを回さないということ。
gskay氏が書いているように、問題の本質は「違法な建築のはずの建物が、基準に合致していると判を押され、それを正しいと思って金融機関が購入者たる住民に住宅ローンを融資、つまり信用を供与した」ことなのである。ここでもし違法な建築であるということが分かっていれば、カネのやり取りはヒューザーと建設会社や設計士の間、つまり業者同士だけで終わっていたはずなのだ。建築確認が通ったということが、金融機関にファイナンスを可能にさせ、住民がそれを買うことを可能にした。つまり被害を一般人にまで広げた。
であれば、まず国交省と金融庁は「債務者が預かり知らないところで作られた違法建築に対して供与された住宅ローンは、本来債務者に返済義務はない」として、金融機関にまず責めを負わせればいいと思う。銀行と住宅公庫は、もちろんそれでは収まらないだろう。違法建築を建てた責任は誰かということを、銀行と住宅公庫が売り主、設計事務所、建築確認した会社を相手取った裁判で争って明らかにすればいい。
どうせ建設業界のことだから、この手の話は関係者全員が少しずつ薄々は気づいていて、でもあうんの呼吸でやっているものだからおおっぴらにすると誰も責任を取れない、取らない仕組みになっているはずだ。売り主は「値段を下げてくれと建設会社に頼んだだけだ」と言うだろうし、建設屋は「鉄筋の値段が最近上がってるんだよね、と設計士に愚痴っただけだ」と言うだろう。姉歯氏は既に「資材を極限まで少なくしてくれという圧力はあったが、たぶん建築確認のところで撥ねられるだろうと思った」とか心にもないことを言ってるみたいだし、確認屋は「偽装は簡単には見つけられなかった」と言い張る。
ここは、各人の言い分を聞いていてもしょうがないので、とにかく新しいルールを入れるしかない。金融市場のルールに倣う、つまり「与信のもととなるエビデンスにゴーサインを出した奴が責任とれ」、ということにするしかない。企業のファイナンスであれば、与信の論拠となる財務諸表にはんこを押した会計士が責任を取れということになっている。
今回も、銀行は裁判所の指示に従いつつ、取りっぱぐれた住宅ローンの回収のたしになるように、イーホームズを身ぐるみ剥がして持っていけば良い。業界トップの日本ERIでさえ総資産が26億しかないような、吹けば飛ぶようなベンチャーのようだから、大したカネは回収できないだろうが、まあ損失の1割ぐらいにはなるかもしれん。
そして、銀行はこれに懲りたら次からはまともな審査と補償能力がある企業に建築確認を頼む、あるいは銀行のグループ内にそういう審査機能を持った子会社を作ってそこで確認業務を請け負うことにすれば良いのだ。ファイナンスとは、そういうものである。リスクを行政におっかぶせておけば安心という時代は終わったのだよ、と銀行に分からせればいいのだ。業界全体で150億程度の授業料、安いものである。
逆にこういう処理ができず、今回も公的資金を投入とか意味不明のスキームで決着するようだとしたら、日本の規制緩和なんて全部嘘だ。ノンキャリの天下り先を守るためにイーホームズを潰さない、なんていう結論が出るようじゃあ、結局行政が最後の帳尻合わせの役を負わされて、何かあると税金投入をせざるを得なくなるに違いないと誰もが(特にファイナンスの世界の人間が)思いこむ。そうすれば未来永劫、日本にまともな建築を作ろうと思う人はいなくなるだろう。だってまともじゃない建築を作っても、税金がケツ拭いてくれるんだから。ばれるまでは適当にやって蓄財しておけばいいや、ぐらいにしか思えなくなって当然である。
そして、日本の最大の問題は、こういう事件が起こったときに真っ先に個人の一般消費者を保護するというルールが、そもそもないことだ。ブログ界隈でも出ていたが「ヤバイマンションを買ったのはお前が間取り図を読んで構造がおかしいと気づかなかったからだろう」的な議論がすぐに出てくる。これは、絶対におかしい。消費者というのは、そのことに気がつく奴もいるかも知れないが、気がつかないレベルだから「消費者」なのである。構造というのは、表からは見えないものだ。それに気がつくのがマンション購入の前提というのでは、個人を法人事業者と対等にみなしているということにほかならない。そんなの、あり得ないじゃん。でも、日本ってこれを「あり得ない」と思う人がほとんどいないんだなあ。残念ながら。一応民法とかにはそう書いてあるんだけど。
というわけで、個人的にちょっと思うことがあるので、これからぼちぼち自分の家の購入の経験談でも書いていこうかと思う。
(追記)エロサイトからのTBスパムがすごいので、いったんTB受付を止めます。夜にまた復活させますので、しばらくお待ちを。
(16:10追記)トップにダミーエントリを立てることでTBスパム回避できるかどうか試すことにしました。TB受け付け再開します。ライブドアニュースのこのページからの流入でアクセスPVがすごいことになってます。そして検索キーワードでは「ローストビーフ」が初の1位(笑)。ブログ始まって以来の1日2万PVいくかもしれん。
(12/1 0:10追記 TBスパムは撃退できたが、散人先生から「ライブドアニュースのトップに張り付くエントリを書く偽証系PV乞食ブログ」とか罵倒されたので、ライブドアニュースの都合なんざ知るかボケと思いつつトップのダミーエントリを削除。これでアダルトTBスパムがまた集まるようならもう知らん。ニフティ撤収してはてなでも行くか。)
06:05 午前 ビジネス
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秋、と言えば人によっていろいろなものを連想するだろうが、僕の場合はこれ。アップルパイ。秋になると紅玉をたくさん切って適当に砂糖で煮て冷やしておき、好きなときにパイ皮に包んでオーブンで焼くだけでできる。ちょう楽チンなおやつだ。
アップルパイについてのうんちくをネットで調べて何かくだくだと書こうかと思ったけど、あまりなかった。てか、料理の話にくだくだうんちく書いてもつまんないし。でも




