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2005/10/05

本日発売の「論座」に寄稿

論座 11月号 例の世耕・福山両氏に会ってインタビューした件、本日発売の『論座』11月号に寄稿記事が掲載された。タイトルは「『広告』から『広報』へ――ブロガーを唸らせた自民党メディア戦略の大転換」。・・・えーとどなたか私以外に唸ったブロガーの方、いらっしゃいます?(笑)

 この雑誌、10年近く同業者であったにもかかわらず恥ずかしながら今まで目にしたことさえなかったのだけれど、読んでみるとなかなか面白い。自分はともかくとして、他の寄稿者に哲学者の東浩紀氏やビデオニュースドットコムの神保哲生氏、前外務省審議官の田中均氏などがおり、ネットでも人気を持つ人や書いたものをちょっと読んでみたい系の論客が多く、なかなか豪華な顔ぶれだ。また、他のマスコミであまり分析されなかったインターネット上の選挙関連の動向(GripBlogやYES!プロジェクトなど)もきっちりフォローした記事が載っていた。

 僕の記事は、何とgooポータルの特別寄稿に加筆修正(主に字数を削り、インタビューの結果判明した事実誤認とかを手直し)したものが載っている。文末にgooブログのURLまで載ってるし。いいのかよそれで。しかも寄稿者の名前が「R30」。文末のプロフィール見るまで、記号にしか見えないんですがこのペンネーム(笑)。でもそれをちゃんと「ペンネーム」として載せてくれたところがすごすぎ。いろいろな意味で感動した。

 で、一読者として見たときに思うのは、この雑誌、選挙後10日以内のところで出ていたら、もっと衝撃的だったろうになあということ。9/11に選挙が終わって週刊誌から月刊誌まであらかた語られ尽くした後に今頃こんな豪華な特集出されても、もうお腹いっぱいですがなという感じである。ま、それはある意味で月刊誌の宿命でもあるから仕方ないとは思うのだが、だからこそもっと違う切り口で見せる見せ方が重要だろうと思う。つまり、雑多なコラムをたくさん読まされたと読者に思わせない仕掛けのようなものだ。

 それで1つ僕が思いついたのが、ずらっと対談やコラムを並べる前に、編集者側の意図をきちんと巻頭文で解説しておけばいいと思うのだ。「今回の選挙にまつわる言説には、××、◎◎、△△といったバリエーションがあった。これらを思想的に整理すると、~~~となるが、この言説空間には☆☆☆といったところが見落とされている。今号の誰々の対談は、その見落としを指摘したものである。また、これらとは別に□□□といった論じ方のアプローチもあることが明らかになった。誰々と誰々のコラムは、この論じ方に関する2つのバリエーションを代表するものである。…」といった具合に。

 寄稿する識者の人には失礼かもしれないが、読者からすると世の中に無数に転がっている批評言説を、「論座」という編集部がどのように捉えて識者やコラムをピックアップし、それらの組み合わせからどういう論点やフレームの所在を読者に考えてもらいたいと考えているのか、ということを見せてもらったほうが、ずっと分かりやすくてためになる。逆に、コラム単体の面白さだけでは引っ張れない月刊誌にはこうしたアプローチがこれから欠かせなくなってくるのではないか。

 これに似た編集方針を採っているのが、このブログをお読みの方ならご存じの「ハーバード・ビジネス・レビュー」である。目次直後にある巻頭の「From the Editors」というコラムで、特集(Feature Articles)の企画趣旨と、掲載された4~6本の論文のポイントをそれぞれ10行程度で解説してある。これは読者にとって、自分の思考の関心に特集の中のどのコラムが応えてくれるのかどうかを確認できる便利さがあると同時に、「この編集部は特集を、単に“面白いから”といった興味本位でなく、構造化された知見として提供しようとしているのだ」という、情報に対する信頼感が生まれる効果も併せ持つのだ。

 社会学の論文集と違い、一般月刊誌はフレームの中に位置づけられないような話があるのだ、そんな「見取り図」を書くなんて不可能だ、という反論も出てくるだろう。しかし、同じ「面白いコラム」をぱらぱらと読むだけなら、今やインターネットでも週刊誌の立ち読みでも、どこでも読めるのである。同じクオリティのコラムを他より遅く出すのなら、それに見合っただけの知の構造化が付加価値についていなければ、わざわざ買って読む意味合いはない。

 ・・・と、自分の記事のクオリティを棚に上げて偉そうに編集部批判をしてしまったが、やはり自分で書いた文章というのは客観的に見られないものなので、ここではあえて語らない。読んだ方からの批判・罵倒をお待ちしたいと思います。ちなみに、個人的にはR30のコラムは、その前に掲載されている世耕・福山両氏のインタビュー記事を踏まえた総合分析、というかたちに整えたつもりではある(といいつつ、ゲラの段階では両氏の記事など目も通させてもらえてないわけだが)。なので、両氏のインタビューと合わせてお読みいただけると、より面白いのではないかと思う。

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コメント

楽しく拝見しています。ところで、朝日新聞の文化は、「ゴーマン、うぬぼれ、不遜」であり(伊藤忠商事・丹羽会長のコメント)、ソニーやNHKの文化と共通します。朝日新聞の営業不振は、二世代の朝日ファンとして残念ですが、当然の結果でしょう。経営陣を含めてオーバーホールすべきです。

投稿: snowbees | 2005/10/06 07:11

「ゴーマン、うぬぼれ、不遜」=R30だな。

オーバーホールすべきです

投稿: R45 | 2005/10/08 11:34

 ごめーん。いま赤坂いるんだけどねー。なーんか凄い勢いで迷子になっちゃって困ってたのー。5時に現地に到着したんだけどー、そっから目的の場所がわかんなくて2時間以上迷子になってたー。
 で、ねー。とりあえず7時半ころになってよーやく所定の場所を確認したんでー、いまから9時まで待ってますわー。んで、判んなかったらそのまんまネットカフェで寝るんでー。

 あと、そんなの知らねーよで怒っちゃったらごめんネー。こっちも悪気なかったんだけどさー。久方ぶりの東京なんで勝手がわかんなくてまいっちゃったー。

投稿: うんこ | 2005/10/08 19:50

経済ジャーナリズムが衰退している。小泉・自民党をヨイショする連日のマスコミ報道にも視聴者はいい加減、食傷しているが、経済面でも、トヨタ、ホンダ、日産などをヨイショする著作や記事が氾濫している。ヨイショを止めて、冷静な分析記事が書けないものか?アメリカの経済記者は、GMのワゴナー会長が、先日の愛知万博に寄せて、トヨタ首脳と会談(富士重工の持株買取の件?)したことについて、「戦艦ミズリーの屈辱」と評している。また、ファクト・オブ・トヨタ(トヨタの真実)も出版予定と。なお、有森隆の「経営者を格付けする」草思社、を読んでいるが、オモロイので、お奨めです。

投稿: snowbees | 2005/10/11 06:14

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