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2005/10/31

民主党ブロガー懇談会速記録

民主党ブロガー懇談会 自民党が内閣改造を発表する中、逝ってきましたよ、その隣のうらぶれた雑居ビルに。で、とりあえず速記録つけた。おかげですげえ疲れたし、しかも自分ほとんど発言・質問できなかった。まあいいや。

 ICレコーダーとかじゃなくて、全員がわあわあしゃべってるのをノートに打ち込んだだけのすごく荒っぽい速記なので、発言の細かいところとか思いっきり省略しちゃったりしてます。聞き違えとかも多々あるかも。場の雰囲気を想像するためだけに使ってください。参加者はもし間違っていたらコメント欄でツッコミ入れて下さい。たぶん、正確な議事録は泉さんあたりがまとめてくれるでしょう。僕自身の感想は後ほど。

【民主党ブロガー懇談会 速記録】

出席者:(民主党側・写真左より)大塚耕平・参院議員、松本剛明・政調会長、前原誠司・代表、細野豪志・役員室長、泉ケンタ・衆院議員
     (ブロガー側)略。泉さんのブログを参照のこと。

(18:15 前原代表、登場。ブロガーと名刺交換)

前原 (弁当をあっという間に食べて)政治家って食べるのが早いですからね。むちゃくちゃ早いですよ。僕は高校の時に3~4時間目の間の10分間に弁当を食べて、昼休みは遊んでいましたね。それが3年間続いて。野球をやってたんです。友だちと遊んでましたんで。阪神ファンです。
BigBang ご愁傷様です。
小飼 優勝したのにご愁傷様もないもんだ。(笑)
泉ケ 僕も北海道出身ですが阪神ファンです。子供の頃は食べ物のあるチームしか好きじゃなかったんですけど。
前原 ロッテって、試合中にガムかんでないと罰金らしいですよ。いや、本当に。いや、(泉は)北海道だから巨人ファンなのかと思っていたけど。
大塚 今の会話は記録されているんですか。
R30 はい、記録してます。
小飼 今の話をアップしておけば本当かどうか誰かがコメントつけてくれると思いますよ。
前原 いや、それ本当だって。
細野 こういううんちくネタのほうがいろいろコメント付くんですかね。
小飼 できの悪いネタとか、ツッコミどころのあるネタのほうがツッコミがたくさん入ります。
前原 皆さん、お互いに顔を知ってらっしゃるンですか。え、知らない!?(驚愕のご様子・笑)

大塚 では口火を切らせていただきます。本日は党本部に来ていただきありがとうございます。もともとは泉さんのほうから代表などにインタビューの要請があったのですが、就任後ようやく時間が取れましたのでここで皆さんにお誘いをしまして、こういう席になったと。ここで話したことはブログに掲載していただいて構いませんが、どなたかのブログを見たら「記者会見」と書いてありまして、これは別に記者会見じゃありませんので、あくまで懇談会ですから。
 で、先ほどの流れのままで行きたいと思います。どうぞ。
ヤメ蚊 国民投票法案についての本を書いたヤメ蚊 と申します。政治家とブロガーの方がどういうふうに接するのかというのにも興味があるので、後できかせていただきたいのですが、国民投票法案について触れますと国会の方から提案があり、新憲法がどういうかたちで決まっていくのかという投票の過程を決める法案であると。これで問題と思ってるのは、まず誰が投票するのかということ。次にどうやって憲法草案の情報を入手して、議論ができるのかということ。そして、それがどのように投票に反映されるのかということ。この3つです。
 今年出ました自民党案を見まして、この3つについてどれも大きな問題があると思いました。一方民主党の法案はリベラルというか、非常に自由な議論が可能であると思いました。ただ、あえてそれぞれの3段階で問題かなあと思うところがありますので、質問させていただきたい。
 18歳以上の方が投票するということになっています。自民党は20歳。広げたことはいいと思いますが、議論から落ちていると思うのは刑務所にいる人、刑の執行を受けている人です。こういう人は投票権がないからしょうがないということですが、憲法自体で自分の処遇が変わるかも知れないわけですね。こういう人が投票できないと言うのは問題があるんじゃないかと思います。そこの点について検討されたことがあるかどうか、もしなければどう検討していくおつもりか。
大塚 時間がないので、1人ずつ自己紹介を含めながら質問をお願いします。
ヤメ蚊 はい。それから2つめについて、公務員の制約という点についてですが、枝野先生がいらっしゃるところできいたところ、「地位利用が問題である」という話を言われました。民主党の案を見るとそのへんは問題ないように思ったのですが、枝野さんの話を聞くと問題かなあと思ったので。
それから、最後は一括投票か個別の投票かということです。30項目変えるときには30個の点について投票するというものですが、自民党案を見ると、細かい点の位置とかも含めて全部変わっているので、一括でやらざるを得ない。そうすると、内容についての点と、外形的なところについての点の改正投票を同時にやらないという規制が必要かなあと。
大塚 我が社にも、結論が出ているところと出てないところがありますので。
 まず、公民権停止の方にも国民投票はしていただくべきというのがうちの考え方ですが、ただ物理的にどうやるべきなのかというのは詰めをしないといけないなと。例えば選挙違反で公民権停止中だけれども外にいる人はどうするかとか、刑務所の中にいる人はどうするか、と。
細野 そこも含めて議論を詰めるということだと思います。できるだけ広い人を対象にするということで18歳に広げて、公民権停止の人にも広げたいということで。
大塚 今回の国民投票法案は、180日の周知期間ということになっていますが、刑務所に入っている人たちにどのくらい情報が伝わるかということ、伝わるようにするためにはどのようにしなければいけないかということも必要でしょう。あと、公務員の地位利用については、周知期間に賛成や反対を運動するということは問題でしょうが、賛成や反対を述べること自体は問題じゃないと思うのですね。そうすると、地位利用とはどういうことを言うのか、ということになります。
 あと、個別か一括かについては、うちは個別でしたよね。
小飼 米国みたいに修正じゃなくて、改正なんですか。それは全然違うと思うのですが。
大塚 改正のほうだと思います。もちろん修正じゃいけないということはないのですが、これは憲法改正をどのくらい頻繁に行うかということなんじゃないかと思います。頻繁に行うのであれば修正ということでしょうが、2~3年に1回以下であれば改正にすべきかと。
前原 私が前から言っているのは「不磨の大典にしてはいけない」ということです。ただ、変わらないことを価値と考えている人もいらっしゃると思うので、ころころ変えるのも憲法の信頼性を落とすのではないかと思っています。ただ、時代が変わって大きな流れが変わっている時には、変えることを躊躇ってはいけないと思います。
小飼 変えるべきであると。
前原 ただ、個別投票というのは全体の枠組みを変えるという時には不適切ですよね。9条になるかも分からないのに、9条を個別に審査する必要はないのでは。
BigBang 自民党案を見ると、巨大な投票用紙があって、24項目とかをすべてチェックして行かなきゃいけないとか、、、
前原 例えば、国民主権なのに1条に国民でなく天皇が来るのはどうしてなのかとか思っています。
BigBang 具体的にどのような投票形式になるのでしょうか。
大塚 まだそこまでは細かいイメージを持っていなくてもいいんではないでしょうか。
小飼 もしAとBとが相互依存している場合は、Aが成立してもBが成立しない場合はどうなっちゃうんでしょう。
大塚 こういうのはうちの中でも議論としては出ていて、パッケージの個別のポイントを賛否を問うてもしょうがないという話は。
松本 我々、国会でもよくあるのですが、2本のまったく違う法律をセットで出してきて、これについて民主党は賛成か反対かというのが、よくあるんですね。これをどこで国民の皆さんがノーというのかと。
BigBang この前の郵政法案などもそうですが、2割ぐらいいいと思うけど細かい点でおかしいというところもある。今回は一括で○か×かというところに行っちゃうと思うのですが。
大塚 重要な点ですが、逆の見方もあって、ベストは最初に全面書き換えして、そのあとは個別で修正できるようにということなんですが、最初に一括を狙うと変えられないということになるかもと思うわけですね。そのへんは、自民党との話し合いの中で作っていくことになると思うんですが。
小飼 抱き合わせで一括というのはオーストラリアでもやった手ですね。国民が飲みにくいところを混ぜておいて否決されたという。
R30 だったら96条の改正条項だけ変えるというのではダメなんですか。
前原 それは、究極の議論ですが、その後お手盛りになってしまう可能性を否定できないので、一応全体像をちゃんと示しておいて、それの第一歩で逐条の議論をしていくということでいくというのが現実的なんじゃないのかと思いますが。
ソフト 29日の日経に川端さんが「軍隊を保持するということを明記した案を出した」ということを言われ、その後前原さんが国民の意見を聞いてからと言われているとありましたが。
前原 それは単に民社党案ですから。原則というのは「マイナー自衛権」という、いわば部隊の自衛権なんですよ。海外に出ている自衛隊は、警察権や自衛隊法に定められた武器使用の条項に従うことになっていますが、上官の命令に従うのは今の憲法では武力行使になってしまっているので、それをまず緩和すべきですと。それから今サマワで活動していますが、自衛隊を守っているのはイギリスとオーストラリアの軍隊ですが、彼らが攻撃されても日本の自衛隊が彼らを守ることができないんです。この2つを除外したうえで、攻撃型(湾岸戦争型)とか武力集団の掃討みたいなことはやらないというのが、今の党内の意見の一致です。
小飼 傭兵を使うという手はないんですか。
大塚 今、海外駐在拠点の警備は現地や日本の民間会社の派遣して警備しているので、事実上傭兵を使っているのと同じことですよ。
前原 そういうのじゃなくて、アメリカということでしょ。
大塚 まあ、それはあるかもしれませんが(笑)
BigBang 自民党の言う集団的安全保障のような話は。
前原 私の個人的考え方は、1項は残す。戦争放棄は日本の平和主義の根幹である。だけど2項の自衛権の放棄は、実際にはあってなきがごとしだったと思うのです。GHQがもともとそうさせるつもりだったのが、その後朝鮮戦争があって、結果的に解釈改憲が行われたんだと。したがって、2項には自衛権を有すると書くべきだと思います。なぜかというと、自衛権というのは国家の自然的権利なんです。今の憲法には個人の自然権は書かれているのに、国家の自然権は書いてないんです。これをちゃんと書くべきだというのが私の議論です。
大塚 徳力さん、いかがですか。
徳力 私は個別のテーマについて興味はないんですが、自民党と民主党が戦うにおいて、今回はこうなっちゃいましたが、1つはネットを使うというのがあると思うのですね。電波で自民、反自民が半々だったとき、民主党はその中の一部でしかなくなっちゃうわけですよね。で、韓国ではおーマイニュースのようなアプローチがありましたが、今回民主党のネットへのアプローチは弱かったんじゃないかと。もっとネットへのアプローチをすべきだったという気がします。今後どうされるのかというのを。先日、起業家の堀さんが中心になってYESプロジェクトをやられた時に、民主党は鈴木さんが来られてましたが、今後民主党はどうするおつもりなのかというのをききたいです。
(前原代表、電話で離席)
大塚 代表が戻る前に経緯を説明しますと、私自身は一昨年の衆院選、去年の参院選と見てきましたが、一昨年はブログはなかったですがネットで映像を提供することはやったわけです。また、どう差別化するかということで、党としてのアイデンティティを示すことが必要だと考えて、その流れで言うと自民党の皆さんはまずいなと思い始めたわけです。また、官から民へといった主張はもともと民主党が言っていたことですが、それにキャッチアップしなきゃという競争原理が働いて、今回はうちがやっていることを凌駕してしまったというのが実情だと思うのです。ここでは、お互いに新しい戦術を考えるというのが始まったと思うわけです。ブロガーの皆さんからいろいろアドバイスをもらえるのは大変嬉しいのですが、政治理論的に言うと二大政党制の中では主張は中道に寄ってくるというのがありますので、その中でどう差別化していくかというのが非常に大きな問題だと思います。もちろん、微妙な差が今後の10年、20年の日本に大きな影響をもたらすとは思いますが。
(前原代表、戻る)
前原 ネット対策が欠けていたというのは事実だと思いますし、それをやっていかなきゃいけないというのは事実だとおもいますが、皆さんのお知恵を借りていきたいと思います。
ヤメ蚊 ちょっといいですか。こういう細かい憲法草案を考えてらっしゃるのに、一般の人にはそれにアクセスできないということがあります。なので、それをどんどんネットでオープンにしていってほしいと思います。
BigBang 民主党案というのを必死で探したんですが、それが入手できないんです。自民党案は意外に入手できる。あともう1点、ブロガー対策といいますが、私はブロガーでもないし、ブログで食っているわけでもないです。ブロガー対策でどのくらい票が取れるかといったら、大して取れないですよ。でも、そこって天皇制みたいな話で、象徴なんですよ。ここが新しいものである、それをやっているということ自体が新しいというのが大事なんですよ。
小飼 長期的には、ネットに乗ってないものは存在しないものということになりつつあるわけで。完成してなくてもいいんです。途中でもいいから、とにかくアップすることが大事なんです。
松永 PDFでなくてもいいので、テキストで張っておけば、それがあちこちにコピペされて話題になったりするのです。
前原 でもそれは、あとで「こんなことを言っていた」という揚げ足取りに使われませんか。
松永 それは別に「途中だ」と書いておけばいいんです。それだけの話です。
小飼 検索エンジンにひっかからないものは存在しないのです。はてなという会社は、社内の会議をそのままブログにアップしたりしているのです。
BigBang ホームページとブログというのが違うのはそこなんです、プロセスを公開していただくことがすごく大事で、それが安心や人々の議論につながっていくのです。
Aa 菅直人さんが今日の一言というのをやってらっしゃいますが、あのレベルで十分なので前原さんにはやってほしいのです。
小飼 ブログは途中経過に対して、どんどんコメントが付いていくので、それがまた自分の考えを変えていくといったことにも繋がります。
大塚 皆さんにききたいのですが、ブログをやっていることで政治はどのように見えているのか、そういうものの受け取り方がどうなっているのか。
Aa ネットの人間は、マスメディアに対しての不信感が強いです。元の情報をゆがめて報道されるので、本当かどうかということが分からないので、それが知りたいんです。自民党では例えば小泉首相の談話がすぐにアップされていますが、そういうのをちゃんとみんな見て議論をするのです。
前原 小飼さん、質問したいのですが、一方通行でなく双方向であるとさっき言われましたが、私どもが言ったことに対する反応が来ますよね。それに対して答えなきゃいけないですよね。
小飼 そうです。レスポンスし続けなければいけないんです。ブログというのはそういうものです。
前原 それは大変だ…。
安曇 ただ、それは技術の問題で、私はそれを今仕事にしているのですが、そのままのブログは政治家の方には使えないです。でもそれをやれると思います。ちょっとここで私が持ってきた提案をご紹介したいのですが、公選法改正案のたたき台です。自民党が10/26にワーキングチームを作って議論を始めましたが、自民党の中にもすごい抵抗がありますが、再来年の参院選までには解禁ということになろうと思います。この通りを自民党が提案してきたら、結局意味がなくなってしまうので、有識者とかも引き入れて、ぜひその上をいく提案を考えていただきたいです。(6項目の提案の説明)
小飼 ガウディの話が出ていましたが、途中で観光客を入れて見せてるわけですよ。これを自民党はやったわけです。民主党が、完成するまでは立ち入り禁止で、完成したら手を加えたらダメよというのでは、自民党のほうが良いとなって終わりますよ。
松本 いろいろなご意見をいただきましたが、やはり誰にポンと任せるかということだと思いました。シンクタンクにしても、やはり任せたいと思う人は同じようで、そこから見直していかなきゃいけないと思います。
徳力 一ついいですか。直接発信するのと、テレビを通じて発信するのとどっちがいいかというと、やはり自分が直接発信して、それに対する反応をきちんと受けたほうがいいんですよ。
松本 そこは、我々も同じことを感じていますがやはり、
小飼 私もブログを始めたのは、テレビに出始めてからなんですよ。やはり自分の発言が途中で切られるので、自分で申し開きができる場がほしくなったんですね。
松本 実は、そのへん我々も考えていますが。…(メモ追いつかず)
大塚 これは最近きいた話ですが、今、中国共産党が自民党を研究しているんですよ。それは資本主義、民主主義の中でいかに一党独裁をするかということでね。それほど自民党と私どもにはリソースの差が大きい。そのギャップに我々がチャレンジしてるんです。例えば自民党は国有地にビル建てて、タダみたいな資金でオフィスを運営しているのですね。それに対してうちはもともと社会党のところにありましたが、今はこんな雑居ビルに入って、非常に高いオフィスコストでリソースも限られた中でやってるんですね。
安曇 …(メモ追いつかず)
細野 すみません!そろそろお時間なんですが。
泉あい 私質問してないから帰れない!民主党のこれからを考えるたびに思うのは、小沢一郎さんのことなんですが、前原さんにとって小沢一郎さんをどういうふうに考えているんですか?
前原 経験のある人からどのように学ぶかということですね。民主党の中にはアンチもいますし、大好きな人もいます。中小企業の社長さんにも小沢さんのファンは多いですから。
泉あい 10年前であれば小沢さんはすごかったと思いますが、今はどうなのかと。
前原 小沢さんには、政策決定や党の方針決定については、何の接触もしていません。幹事長(鳩山)が少し接触があるかも知れませんが。これまでの経験を生かさないと。
小飼 そこなんですよ。自民党は今回、これまでの経験を捨てましたよね。民主党さんとしては今後、どの経験を捨てるんですか。
前原 いつも言ってますが、政権を取るということはもちろん大事ですが、会社の社長になったのと同じですし、思い切ったことをやれなければ意味がないですから、小飼さんおっしゃるとおり、経験のある人の話を聞くべきという部分はきくし、違うと思えば自分の考え通りやるということです。
松本 私も政権交代をするために民主党にきましたが、野党で第一党になるためには仲良しになることが大事だったと思いますが、今は既に第一党になって、仲良しを捨てる時期に来ていると思いますね。
泉あい 小泉さんは亀井さんとか平沼さんを切りましたが、前原さんは小沢さんを切れるんでしょうか。そういう覚悟がありますか。
前原 必要であれば多数派工作もするし、説得もするけれど、切ることが覚悟ではないと思います。思いを遂げることが覚悟であると思います。
泉あい 前原さんの覚悟とは何ですか。
前原 自分のやりたいことをやるのが覚悟です。切ることが覚悟でもないし、それが覚悟を示すことでもないと思います。
松永 私、政治的に音痴なところがありまして、民主党さんって寄せ集めな印象があるんですね。小沢さんもいれば社会党、自民党からの方もいらっしゃる。民主党ってどこに走っていくのというのが分かりにくい。野党第一党を脱して政権党に走っていく時に、今までのものをマージして新しいものが生まれてこないとと思うんですが。
大塚 そこは定量的に示していく努力をしたいと思いますが、私なんかは2001年からなので別にどこかの旧党派に所属していたわけでもないし。
前原 自民党も、根っこの部分は変わってないのかも知れませんが、見え方は変わっていっているわけです。これまでは利益団体や族議員の力が強いように見えていたが、小泉さんによって少なくともそれは払拭されたように見えます。私は改革競争はやろうと思っていますが、最終的な価値は何を目指すのかというと、小泉さんは小さな政府といっているが、私はぜい肉は取る。だけれども結果的に小さな政府でなくてもいいと思っている。自民党と民主党とのどこが違うかというと、自民党は何でもマーケットメカニズムだと言っているが、我々は市場経済で救えないところはたくさんあります。地方や環境、あまり使いたくない言葉ですが生活弱者、子供や老人といった人たちがいます。来年医療制度の改革が始まりますが、株式会社の参入を認めて、それで人の命を守ることが成り立つのかという疑問が我々にはあるんです。そこをきちんと解決したうえで、ある程度均一な社会、セイフティーネットのある社会、ハンディキャップの人たちを救う社会というのを作りたい。金でものごとをはかるのか、そうした政治的な判断をするのかということを大切にするのかというのが、自民党と民主党の違いです。
小飼 では、その財源を示して下さい。
大塚 そこはまた議論させていただきたいと思います。
前原 我々が足りなかった面でもありますので、そこはぜひいろいろなご意見をいただきながら。ありがとうございました。

(19:45 前原代表、退出)

追記:ちなみに最終弁当論争の顛末だが、親子丼が各自の机に出され、全員が800円+お茶(缶)100円を大塚議員に支払ってむしゃむしゃ食べたとさ。あっ、そういえば宿題のチェックするの忘れちゃった!とっぴんぱらりの、ぷう。

08:42 午後 経済・政治・国際 コメント (12) トラックバック (27)

ついに来た。メール向けAd-Sense

gmail_ad Gmailの画面をいつものように眺めていたら「おっ?」と思った。ついにキタ━━━━(゜∀゜)━━━━ !!!!! メールの内容を検索して関連広告張るサービス!Gmailアドセンスだ!

 今はまだメール内容に関連するGoogle Newsのヘッドラインが表示されるだけだが、やっぱりGoogleはGmailも内容をちゃんと検索して読んでいたことが判明。日本でもコンテンツ連動の広告が出るのも時間の問題となったわけだ。さすがGoogle。他人のメールを全部広告スペースにしてしまおうというその発想、大したものだ。

 実は1つ前のエントリで、本当はYahoo!とGoogleの話を書こうと思っていたのだった。でも話がいつの間にか逸れて楽天についてだけのエントリになってしまった。何を書こうと思っていたかというと、検索に関するYahoo!とGoogleの手法の差というのは、実は実際の差というよりもマーケティング・コミュニケーション上の差なんだよということだった。

Yahoo!は昔から、キーワードに沿ったサイトをスタッフが人力で探し出してリンクを張っていた。機械的な検索が中心になってきた今でも、実は裏でスタッフがキーワードごとにどういう順番で検索結果を表示すればいいかとか、毎日細かいチューニングを行っている。というのを、この前出たとあるパーティーで、Yahooの中の人に教えてもらった。

 逆にGoogleは「検索はプログラムがやっています。人間は一切判断していません」と言っているが、だいたいプログラムというのは人間が書いてるんであって、何をどういう順番で表示するかは当然ながらプログラムする人間の判断が含まれているわけだ。その意味でGoogleの検索だって「中の人がチューニングしている」ものであることは変わらないはずなのに、彼らは常に「プログラムがやっています。人間は判断してません」という常套句を言い続けているのだ。

 今では両社ともそんなに変わらないことをやっているはずなのに、なぜGoogleは人の手の関与をことさらに否定するような言い方をするのか。その理由が、まさにこれ。つまり、彼らは通常なら広告など入れようのないプライベートなインターネット空間にも、「機械しか見てませんから」という言い訳とともに、広告を入れたかったのである。

 友だちとの他愛ないメールのやり取り、チャット、会話など。その横に広告を入れられれば、広告の可能性そのものを広げることになる。でも、それを可能にするためには「Google自身はプライベートをのぞき見してはいない」ということを強調する必要がある。だから、ああいう説明が繰り返されてきたのだ。

 実際には、Googleも人手を使って検索機能をチューニングしていることが明らかになったらしい。ってプログラミングの意味を知ってればそんなに驚くべきことでもないのだが、要するにそういう事実を明らかにしたこと自体が彼らにとってダメージになりかねないということで驚かれているのだろう。

 ま、そんなことはどうでもいい。ここまで考えていたのかGoogleということで、僕もこれからGmailにはあまり社外秘的、個人秘的な内容は書かないようにしようっと。

01:25 午前 メディアとネット コメント (4) トラックバック (7)

2005/10/30

楽天は本当にAppleに対抗しようと考えたのか?

 湯川氏の「ネットは新聞を」ブログで、「楽天はTBS買収から撤退せざるを得ないだろう」という予測が開陳されている。面白いのは、そもそもライブドアが試みて失敗したテレビ局の買収に楽天があえてまた乗り出した理由を、世間でよく言われる「株価を上げ続けなければならないから」ではなく、「アップルに対する対抗軸をコンテンツ企業の買収で作りたかったから」と見ている点だ。

 ここで湯川氏を批判するのは簡単なことだ。だが、この仮説はとても面白い示唆を含んでいるように思うので、それに関連して少し考えをめぐらせてみたい。

 以前に書いた「Video iPodに勝つためには何をすればいいか。」のエントリで、僕はiPodのビジネスに勝つためには、まず映像配信のプラットフォーム(ソフトウェア)を作って、安いハード(プレーヤー)と一緒にばらまいてしまうことだ、と書いた。コメント欄でも指摘されているように、現時点でのAppleの収益源はiTunesでの楽曲売り上げではなく、iPodというハードの販売利益だ。これはつまり、Appleのビジネスモデルが、まだ発展途上であることを示している。

 どういう意味か?デジタルの世界で利益を出せるビジネスの規模というのは、商材によって違うということだ。一番規模が小さくても(数百~数千ユーザー)利益が出るのは、ソフトウエアの販売である。そこそこ面白い、使えるソフトをCDに焼いてパッケージにすれば書籍や雑誌とほぼ同じ流通チャネルで販売できるし、オンラインでのダウンロード販売やシェアウェア方式にすればもっと手間もかからない。しかし、Appleはここを「タダで配る」ことで、収益化を諦めた。

 その代わり、彼らが狙ったのはその上のレイヤー、「ハードウェア」である。ここは最低でも10万ユーザーぐらいの規模がないと、利益が出ない。その代わり、デザインや機能といった分かりやすいチャームポイントを人々に見せることが可能であり、うまくやれば実際のユーザー数以上に世の中に宣伝効果を及ぼすことができる。この宣伝効果をうまく下のレイヤーで「規模」化して回収できれば、十分な相乗効果は得られるはず。これが彼らの読みだったろう。

 その上の3つめのレイヤー、「コンテンツ」は、もっとも商売の難しいところである。商品を作るのはクリエイターであり、企業が投資をすればすぐに自分で人気作品を作れるわけではない。ゲーム業界はクリエイターの人件費が非常に低廉だったこともあり、ハードウェアメーカーは自らのハードの利益を多少犠牲にしてでもコンテンツに猛烈な投資をして、優良なコンテンツを囲い込む戦略を取った。

 これに対し、AppleがiPodで扱おうとしたコンテンツは「音楽」という、クリエイターのコストが非常に高く、また現在のコンテンツではなく過去のコンテンツ資産が圧倒的な市場価値を持つ世界である。これは1社でコンテンツの囲い込みを画策しても、どうにもならない。そこで彼らは、ここの利益はほぼ全部コンテンツホルダーに還元することにして、儲けることを諦めた。

 真ん中のレイヤー「ハードウェア」で利益回収とブランディングを行い、その下のレイヤー「ソフトウェア」で規模を稼ぎ、上のレイヤー「コンテンツ」で他人のふんどしを借りる。こうして、音楽業界におけるiPodのビジネスモデルができあがった。

 では、映像ではどうだろうか。ソフト、ハードまでは上記に同じであろう。問題はコンテンツだ。「映画」では音楽と同様、過去のコンテンツ資産が大きな価値を持つが、「テレビ」あるいはそれ以下の視聴時間の映像コンテンツは、過去の作品が市場で幅を利かせているわけではない。つまりここではコンテンツ「ホルダー」を囲い込む必要はないということだ。

 では、クリエイターはどうだろう。テレビ局所属のクリエイター(プロデューサー、ディレクター、アナウンサーなど)は確かに高給だが、下請け制作会社やアニメ業界のクリエイターは途上国並みの薄給で働かされている。その生産するコンテンツのクオリティに大した差があるわけでもない。とすれば、下のレイヤーでのプラットフォームさえ作ってしまえば、コンテンツは過去資産のホルダーを囲い込むのではなく、制作力のあるクリエイターを一本釣りで囲い込み、作品を作らせるほうがずっとビジネス上のインパクトが高いことになる。

 幸い、昔は視聴に耐えうる映像作品を作るためには、高額な機材をたくさんそろえなければならなかったが、今はデジタル化の進展で、ビデオ撮影も編集もコツさえきちんと知っていれば素人でも揃えられる程度の機材で十分なクオリティが出せる。大事なのはコツを知っている人をかき集めて囲い込むことのほうだ。

 さて、話を元に戻して、楽天である。湯川氏は、「三木谷社長には焦りがあったのだろう」と言う。僕もそれには同感だ。彼は焦っている。でなけりゃ、あんなことするわけがない。

 しかし、焦りの内容は湯川氏の読みとは違う。もし本当にAppleに対抗する気があるのなら、何らかのかたちでAppleに対抗できるだけのプラットフォーム開発に着手する一方、良質な映像制作のクリエイターをかき集めようとするだろう。幸い、日本ではまだiPodそのものを持っている人はそんなに多くない。ハードが自分で作れないなら、ソニーかドコモと組むとか、あるいはケンウッドあたりにTOBをかけても良かったはずだ。

 しかしそうではなく、虎の子の1000億円をTBSに投じたのはなぜか?その理由をおなじみ、松本のコーヒー屋氏や、kenjimori.comが分析してくれている。要するに、もう楽天の「ショッピングモール」というビジネスは、寿命間近なのである。映像ビジネスに種をまいてそれが芽を出し育つまで、待ってられないのだ。そのことを三木谷氏本人が一番よく知っているのである。

 かつてネット・ショッピングには、信用できる決済システムと店舗へのトラフィック確保にネックがあると言われていた。楽天はそこに注目し、決済インフラの確立、そして「ネット店舗なら何でも楽天にある」と言わしめるほどの店数を揃え、「ネットショッピングならまず楽天」と消費者に連想させ、お客のトラフィックを確保することに多大な努力をかけた結果、大いに成長した。

 だが、ネットでの物品購買が当たり前になり、決済インフラの信用性もほとんどボトルネックにならなくなった。またトラフィックはGoogleを初めとする検索エンジンからが中心になり、SEOや検索連動広告を出せば単独でネット上で店を出しても十分トラフィックを確保できるようになった。そうすると、楽天に顧客リストを握られている既存店舗はともかく、新規に出店する業者が楽天の利用を検討する必然性はまったくない。ここが、オークションという「システム」そのもので顧客をロックインしてしまったヤフーと楽天の、大きく異なる点である。

 結局、楽天は今持っている信用とキャッシュを、何かすぐに価値となるものに変えておかないと、2~3年後には会社そのものが存亡の危機に瀕するという危機感を隠せないのだろうと僕は思う。TBSを、村上氏の言うように「含み益を大量に含んだ不動産の塊」と見るか、三木谷氏のように「売れるコンテンツとその制作力を持つクリエイターの集まり」と見るかは人それぞれだろうが、いずれにせよ今手元にある1000億円のキャッシュを、5000億円近くある有利子負債の返済に回せるエクイティー調達にふさわしい事業に何とか変えないとと考えている点では、大した差はないのではないかと思う。

 三木谷氏はずっと以前、「コンテンツなんて、あんなもの自分で作っちゃダメですよ。世の中にいくらだって転がっているのだから」と周囲に語っていたこともあり、もし彼がTBS買収でコンテンツ囲い込みを狙ったのだとしたら、そもそも彼は楽天創業以来の自分のビジョンを変えたことになる。人間、誰しも焦ると判断を間違えるものだ。利益を出したければ、まずは利益を考えずに顧客のことを考えなければならない。短期的な成果を出したければ、まず長期を見なければならない。経営というのは難しいものである。

11:21 午前 ビジネス コメント (12) トラックバック (22)

2005/10/28

みんす党vs自民党のブロガー大戦

 ガ島通信の藤代君が「自民党のブロガー懇談会の案内来ました~?」とメールをくれたのが、26日の朝。仕事でへろへろになっていた僕にはまともにメールチェックする余裕すらなく、「えー、別に来てないけど?」とかいい加減な返事を返してしまった。

 実際は、26日の10時過ぎに、僕にも懇談会のご案内が来ていた。ただ、あいにく11月1日は仕事が入っていて出られない。ま、今回は2回目だし、選挙も終わったし、素人受けしなさそうな面倒な話が出るんだろうと思って「案内来てたけど出られません~」と、なぜか藤代君に返事を書いて終わらせたはずの話が突然左向き大旋回(笑)。みんす党が自民党の前日、10月31日にブロガー懇談会をやるという話が飛び込んできた!しかも前原代表登場!突如風雲急を告げるブロゴスフィア(嘘)。

 みんす党の懇談会のほうは、こちらに詳細が。実は懇談会というか、泉あいさんが申し込んでいた前原代表インタビューの日程が決まったのを、せっかく自民党懇談会の前日だからという彼女の発案で急遽少人数のブロガーを集めての会見に切り替えたとのこと。彼女の機転の良さに感心すると同時に、自民党の動向をチェックすらしておらず、熱心なブロガーから提案を受けるまで対抗策を講じようともしてなかったみんす党新執行部の天然ぶりに大笑い。

 で、昨夜泉さんからメールが来て「来ませんか?」とのお誘いが。たまたま10月31日は仕事の予定も入っていないし、何だか面白そう(明らかに本来の「面白い」とは別の意味でだが)と思ったので、参加してみることにした。

 泉さんは憲法改正の国民投票法案について質問する気だそうだが、まあ与党に議席数3分の2取られている衆院で何の意志決定権もないみんす党に、今さら法案の是非とかを聞いても無駄だと個人的には思う。それよりも2~4年後に向けたみんす党の長期戦略について質問してみたいと思っている。これから連立与党との圧倒的な議席差を逆転できるかどうかは、形勢逆転に向けた明確な政治戦略が同党にあるかないかにかかっているからだ。それがなければ、他に希望のつなぎようもない。

 というわけで、10月31日の参加者の方々には、課題図書としてこの9月に出たばかりの野中郁次郎ほか著『戦略の本質――戦史に学ぶ逆転のリーダーシップ』という本を挙げておきたい。書評は後ほど。当日、ちゃんとこれを読んで原稿用紙2枚以内に感想をまとめてくること。いいかな。宿題やってこない子にはセンセイ、ゲンコツだよ。以上、11月1日を楽しみに待て!

11:05 午前 経済・政治・国際 コメント (8) トラックバック (14)

2005/10/21

ただいまチーム組成中

 「アルファブロガー」の本のインタビュー受けた頃には、「メディアは批評の段階を終え、実行のフェーズだ」とか大見得切ったくせになんもやってねーじゃねーかと読んだ人にガン飛ばされるんじゃないかと実は内心冷や冷やしていたんだけど、世の中うまくできているというかやっぱりなるようになったというか、結局また実行フェーズに思いっきり関わることになってしまった。しかも2件。

 具体的なことはもちろんこんなところでは言えないんだけど、今って通常業務も死にそうなほど忙しいんですがその上にアドオンで2件もプロジェクトのスタートアップが絡んでくるって、いったいどうよ。神はいないのか。

 怒濤のプロジェクト立ち上げに関わって改めて心に刻んでいるのは、某飲料メーカーの凄腕マーケターが言っていたある一言。「新規事業の立ち上げが成功するかどうかは、その船にどういう順番で誰を乗せるかで、80%が決まるんです」

 これって後から振り返って(失敗したり成功したりした人が)つぶやくのは割と簡単な言葉なのだけど、まさに現在進行中の立ち上げ作業の中で「誰を、いつこの船に乗せるか」について、完全にそのタイミングとメリット・デメリットを読み切って判断を下すのは、本当に至難の業だよね。

 正確に言えば、今回そうとしているプロジェクトには驚くべきことに、プロジェクトを直接回す人たちに想像もつかないほどすごい面々が集まりつつあるのだけれど、問題はもっと身近な、そしてそのプロジェクトによって影響が及びそうな周囲に位置する人々への対処である。

 まず、プロジェクトに関係がありそうな人、どうしてもどこかの段階で手を貸してもらわなきゃいけない人、割り込んできそうな人、敵に回りそうな人…というのを目を凝らして精査し、それぞれの人物についてのプロコン、現有キャパシティ、任せて良いことと良くないこと、そして人格的なケミストリーを把握しておく必要がある。

 個人的には、目の前にいる人のそれらを把握するのはそんなに難しくないと思うが、やはりプロジェクトの中で明らかに足りなくなってくるだろうと思われるリソースを持っている、あるいはいざというときにそれを知り合いや身の回りからかき集めて提供してくれそうな人というのが、たいていはプロジェクトスタートの時点では目に入ってなかったりすると大変だ。後から追加で船に乗せていくことになるわけだが、そうするともともと船に乗っていた人とバッティングしたりしてすったもんだが起きたりして、結局もといたメンバーの方を泣いて馬謖を斬らなければならなくなったりする。

 そうならないようにプロジェクトの途中経過でどんなリソースが必要になってくるかを予想して、いざという時にケミストリーとか役割分担が大きく食い違わないような人を選んでおき、根回し確保しておいて、いざというタイミングでさっとカードを切るという技が必要になってくる。大事なことは、ここぞという時に切れるカードの数を豊富に持っておくことと、何よりプロジェクトの細かい進め方、どこでどんな話を動かさなければいけないかのロードマップをきっちり見切っておくことである。

 しかしネットメディアをやるときに一番大変なのは、コンテンツ回りの開発スピードや意思決定と、システム回りの開発スピードや意思決定の順番とが、全然別のスパンで動くことだ。これが、下手なプロマネが手がけたプロジェクトのロードマップの当てにならない最大の理由である。

 したがっていかにブログの機能が発達しようとASPのアプリケーションがたくさん出回っていようと、この2つのロードマップをきっちり書き込んだものを関係者全員でまず共有してから走り出さなければならない。たとえどんなにそれをきっちり徹底していても、コンテンツ屋というのはシステム屋が思いもつかないようなポイントで突然これまで進めてきたことをそっくりちゃぶ台返そうとしたりするものなのだ。まして、中長期的なマイルストーンを設定せず、つまりロードマップに何のコンセンサスも取らないで走り始めたプロジェクトというのは、たいていがコンテンツ屋とシステム屋の決定的仲違いで失敗する。

 あと、ケミストリーの点で言うと、プロのコンテンツ屋は気乗りのしないコンテンツを作れと命令されても、たいていは無理矢理何とか原稿をでっち上げて締切までに間に合わせる。それがプロだと教えられてきたからだ。しかしシステム屋というのは、高い金を積んでやってもらう大手のSIerは別だが、少人数のプログラマのチームはコンテンツ屋や経営トップの都合で理不尽な仕様変更とかを押しつけられると、とたんにやる気をなくして開発速度もクオリティもぐぐっと低下する。これが時にはそのプロジェクトに壊滅的なダメージを与えかねないものとなる。

 なのでそういう爆発が起きないようにするためにも、プロジェクトで想定するサービスのイメージを(途中での仕様変更等も多少は織り込んだ上で)相当かっちりと明確に持ち、それに合わせてシステムの仕様を書かなければならない。これが一番骨が折れる。

 一番骨が折れるというのにそれを近々やらなければいけないので今からかなりグロッキーである。しかし世の中にシステム屋と会話が成立するコンテンツ屋というのがほとんどいない。ご多分に漏れず今回のプロジェクトもどうやら僕1人だ。プラン書きは必死に他人に振りまくっているがシステムの仕様とりまとめだけはやらざるを得なくなりそうな気配。あああ死ぬ。どうしよう。うーむこまったな。誰か代わりに仕様書書いてくれる人はいないもんか。

 とかつぶやいているうちにも、目の前のいろいろな仕事の締切は走馬燈のように過ぎ、無力感に打ちひしがれた僕は何もせずにふて寝して結局は時間を浪費するのであった。あうあうあう。

11:58 午後 メディアとネット コメント (5) トラックバック (2)

2005/10/15

Video iPodに勝つためには何をすればいいか。

 ある映像関連業界の人から表題のような相談を受けた。当面は投資家向けの説明をどうすればいいかっていう話だが、その向こうには今後5年ぐらいのスパンでどう事業をやっていけばいいかという話も含まれているっぽい。知るか、そんなこと。

 とか切って捨てるのもかわいそうだし、まあ投資家向けの言い訳はいろいろとアドバイスをしてあげたのだけれど、ゼロベースで考えた時にiPod流のコンテンツ配信ビジネス破壊にどうキャッチアップできるかについて、ちょっと考えたことをまとめてみたい。

 iPodでふつうに映像見られるようになったら、地デジとか1セグとかもう要らないし、という話はアイドル並みにちょうカッコイイ孝好先生がこちらとかこちらでお書きになっていらっしゃる。ま、その通りだろう。

 携帯電話は、女子高生だろうが主婦だろうがビジネスマンだろうが、世の中から自分が孤立していないことを証明する唯一無二のコンタクト・ポイントである。その意味で、携帯電話の電池が切れることほど恐ろしいことはない。そして、これだけ液晶が高密度になりカメラが付き機能が増えているにもかかわらず、携帯電話の電池寿命というのは1990年代後半から進歩がない。

 だから、この端末の上で映像コンテンツを1時間も見たりしたらどうなるか、世の中の人はほとんど完璧なまでに的確にその結果を予測できる。電池切れが起こって、その日の残り半分、充電器のある自宅にたどり着くまでは、自分が世の中から完全に隔離されるということを。何度も言うが、だから携帯電話で3分以上の映像を見ようと思う奴は絶対に出てこない。

 「いや、でも別にそれが1セグケータイでなくてiPodだからって外で移動中とかにテレビ見ようとは思わないと思うなあ」と反論する人もいる。例えば、ハコフグマン氏などはそういう感想を述べている。これもまた、まったくその通りだ。

 Video iPodの登場の意味は、「テレビ映像を持ち運べて見られるようになった」ことにあるのではない。ここを勘違いしてはいけない。実際のVideo iPodは、おそらく音楽を聴くのに使用時間の99%が使われるだろう。ではいったい何の意味があるのか。既に「映像コンテンツを有料ダウンロードして見る」という可能性が開かれたこと、そしてPodcastingを使って「定期的に購入する」という販売モデルが、既に可能になっていることだ。

 iTunesのインストールベースはアップルが公表していないので分からないが、個人的にはiPodの国内累計販売台数の10倍近く、約500~600万ユーザは行っているんじゃないかと思う。例えば、毎週見てもらえるような15分程度の短い映像コンテンツを作り、このユーザーユニバースのうちの1%に定期購入してもらえたとしよう。米国並みに、1回300円の販売収益が出たとすると、それだけで週に1500万円の売り上げが上がることになる!!

 アニメやヒーローものなど、ユーザーのsticknessの高い映像コンテンツを作っている制作プロダクションなら、(地上波での放送さえ考えなくて良いなら)馬鹿馬鹿しくて民放キー局などに番組売るのを止めたくなるだろう。ま、そういうことである。しかもこれで番組中に広告主の販促物を映し込んだりしてインフォマーシャルの手法を盛り込んでいけば、バックドアから広告収入も同時に受け取れることになる。そうなると、制作会社は企画力と営業力さえあれば、キー局なんかすっ飛ばしても良いわけだ。iTunesばんざい!電波利権をぶっ壊せ!(笑)

 っていう話は、ここの本筋ではない。「映像配信ビジネスで、iPodに勝つ手はあるか?」というのがここでのテーマだ。

 音楽の分野において、今さらAppleの確立したポジションをひっくり返すことは、並大抵のことではない。2200万というユーザーベースとほとんどの音楽会社がコンテンツを提供しているというインフラを無視してかかることなど、そう簡単にはできないからだ。でも、ここで述べたようなVideo iPodの戦略は「Video対応のiTunesを今のiTunesユーザーがダウンロード」して、なおかつ「主要な映像コンテンツホルダーがAppleにコンテンツを提供」すればという前提付きだ。前者の蓋然性はかなり高いものの、後者に至ってはまだどうなるか分からない。

 だから、映像分野でソニーや松下といった日本勢が音楽業界の轍を踏みたくないのであれば、とにかく今からコンテンツホルダーを囲い込みまくることである。直取引でもコンソーシアム形式でも、何でもいい。とにかくAppleに卸すよりこちらに卸した方がメリットが大きいというユーザー向け映像配信インフラを大急ぎで築いて、それにコンテンツホルダーをかき集めて載せておくことだろう。

 ところが、コンテンツ屋というのは、自分が儲からないプラットフォームにコンテンツを売っていくことには非常に慎重なものである。だから、コンテンツ屋を動かしたければ、iTunes並みに利用が手軽なコンテンツ配信インフラをまず軽くユーザベースで100~200万ほど築いてしまう必要がある。いったい、どうやって?

 一番簡単なのは、パソコンのソフトを作ってタダでダウンロードさせることだ。だけど、ダウンロードさせること自体をユーザーの自発性に頼らなければいけないのでは、これは相当のメリットがなければユーザーは動かない。とすれば、あとはあの手しかない。「ヤフーBB商法」である。

 一番安い携帯音楽プレーヤーを、街頭で100万個ぐらいタダで配ってしまうのだ。で、パソコンとの接続には専用ソフトがなければダメで、それをダウンロードするとごくわずかの月額課金がかかるようにする。最初から料金を取るのは大変だから、コンテンツ購入にも使える「ソフト使用料最大3ヶ月無料の1000円クーポン」というのを無料配布するプレーヤーにつけておき、月額200~300円の課金を最初は無料にして最大限楽しんでもらい、生活にとけ込んだところで課金を始めるという仕組みがいい。定額課金とインターネット接続環境を既に持っているユーザーがターゲットなので、端末ばらまきは既存の大手ISPを通じて全ユーザーに送りつけてしまうのもいいだろう。

 インフラができてしまえば、あとはもっといろいろな機能のついた高価格のプレーヤーをアップセルするなり、魅力的なコンテンツをガンガンダウンロードさせるなり、いろいろと儲ける手口もできるだろう。

 だが、ここまで達するのにおそらく間接コストを含めて400~500億円の初期投資は優にかかる。それだけの赤字を垂れ流してリッチコンテンツ配信ビジネスの主導権をアップルから奪い返そうというソフトバンクのような豪胆な日本企業が、いったい出てくるだろうか。その時の競争相手はAppleだけでなく、そういう業界破壊的なアプローチを取ることに猛反発する同業他社でもある。また、日本国内で仮にシェアを奪回できたとしても、海外市場を握るスケールメリットではAppleに最後まで勝てないかもしれない。

 といったことを考えると、もはや第2第3のソフトバンクなど出てこないかも知れないね。楽天とか、TBSなんていう電波利権業者買収ごときに900億もつぎ込んでる場合じゃないでしょ。ライブドアなんか、フジテレビから1000億もゲットしたんだったらこっちにぶちこんでみない?あーあ、やっぱりダメかなあ。みんなiPodの軍門に下れってか。

 しっかしさあ、これって総務省とか自民党政治家とか一部国粋主義的なジャーナリズムとかが一番嫌がってる、「外資にメディア業界の主導権を握られる」構図そのものじゃねえの?そこんとこ、どうよ?いや、僕は別にまったくどうでもいいと思うんだけどさ。

11:32 午前 メディアとネット コメント (20) トラックバック (30)

2005/10/14

インタビューする技術

アルファブロガー なんか企画元のFPNをはじめ出演者、編集協力者入り乱れて宣伝されまくっているので、今さらAmazonアフィリエイトのリンクなど張ってももはや誰もここからは買ってくれないだろうと勝手に諦めたりしている「アルファブロガー」の本(と言いつつ一応アフィリエイトリンク)。何も触れないのも不自然だしなー、どーしよー。本のインタビューを受けた感想でも書いておくか。

 僕のインタビューを担当してくださったのは、本では徳力さんのクレジットになっているが、実際には3分の2かそれ以上渡辺さんだった。渡辺さんとは以前にも2人だけでネットやメディアの未来とかのディープな話題で2~3時間話し込んだりしたことが数回あり、こちらの手の内はかなりばれている。ので、まあ今回はきっと身ぐるみ剥がされるんだろうなあと思って四谷の翔泳社に行ったら案の定2時間で身ぐるみ剥がされました(笑)。

 僕の出てるパートは前に織田さん、後ろに磯崎さんと錚々たるメンツが並び、いったいここで1人だけ顔隠して後ろ向いて背中で語ろうとしてるイケてない男ダレこれ?みたいな感じでちょう恥ずかしい。ま、それはどうでもよくて、僕が今回感心したのは渡辺さんのインタビュアーとしての卓越した能力の方だった。

 これまでずっと自分がインタビューする側だったので、どういうふうにインタビューの質問をぶつけるかということは自分なりの手法では必死に考えて10年ぐらい過ごしてきたつもりだし、今でもマスメディア出身じゃない人と一緒に誰かにインタビューをしに行くとよく「話を聞き出すのが絶妙にうまいですね」とか感心されたりするのだが、もはや自分でもなぜそういう絶妙な質問を繰り出せるのか形式知化できないぐらいに体に染みついてしまっていて、あるいは自分が絶妙なのかそれとも大して絶妙でもないのかさえも判断できないようになってしまっていて、褒められても感心されても嬉しくない。

 一方、インタビューを受ける側の経験というのももちろんしてきてはいるのだが、なまじ自分が相手をうまく調子に乗せてしゃべらせる能力をそれなりに持ってしまっているので、ああこの人はこっちがしゃべろうかどうしようか悩んでいたことまで全部引っこ抜いて持っていきそうだ、と思わせるようなムードを醸し出してもらえたインタビュアーというのはこれまでほとんど会ったことがなかった。

 ところが、今回の本のインタビューは、そのあたり渡辺さんに見事にしてやられたなという印象である。上がってきたゲラをざっと通読してうちのカミサンが一言、「このインタビューした人、誰?すごい人ね」と感嘆の声を上げたのだから間違いはない。ネットとメディア、という最近おきまりのネタではあるが、R30の本音をここまでしゃべらせてしまうインタビュアーというのは、分野は違えど似たような文筆の仕事をしているカミサンから見てもやはり凄腕に見えたようだ。

 もちろん、聞き出した内容や雰囲気がビビッドなままにうまく読み手に伝わるように原稿を書く能力というのもこれはこれでまた別に必要なのではあるわけだが、インタビューというのは、さすがに相手がしゃべってもいないことを書くわけにもいかないし、いくら鉛筆なめがうまくてもそもそもの素材(つまりテープ)がつまらなければ飾り立てるにも限界がある。というわけでこの本のR30インタビューの面白さは、やはり渡辺さんの卓越した「口滑りを誘発する」能力のゆえかなあと。

 思うに、自分がしゃべろうかしゃべるまいか悩んでいたこと、あるいはしゃべるまいと思っていたことをしゃべってしまうきっかけというのは、やっぱり今一番頭の中にこびりついている問題認識、考えなきゃと思っていることについてネタを振られるというか、それを引き合いに出して語らざるを得なくなるような質問をされることなんだろうと思う。

 人によってはそういう問題意識ずばりそのものを突っ込まれると、警戒して貝のように口を閉ざしてしまう人もいる。だからそのものずばりではなく、そこから微妙にずれたところをくすぐらなければいけない。インタビューは、この微妙さ加減が難しい。1時間という時間を無難に過ごして出て来たいなら、へらへら笑いながらおべんちゃらを言いつつ話を聞いていればいい。だけどそれでは表面的な話以上は聞けない。だからやっぱり相手が一番悩んでいそうな部分をぐさっと刺さなければいけないのだ。

 「アルファブロガー」の本の中で、僕が質問に対してきちんと答えられていないというか、ぬるい答えを返して終わっているところがいくつもある。そこは、まさに渡辺さんの質問が核心を突いていて、非常に苦しかったところだ。そしてそれこそが、これからのブログやネットの夢だったり課題だったり可能性だったりする部分でもある。

 僕自身まだ全員のインタビューを読んだわけでもないが、この本は単に2004年末の日本で有名だったブロガーを11人集めましたというアイドル名鑑のような本ではなく、近江商人JIN氏が言うように「ブログ、SNS、Web2.0、これから10年のインターネット」を11の視座から多面的に考えることのできる、ものすごく刺激的な思考実験の本になっていると思う。僕が見た範囲だけでも結構なボリュームがあるので、これで1600円というのは(収録されている人の顔ぶれだけでなく、編集に携わったメンバーの労力から言っても)かなりお買い得な本ではないだろうか。

 購入される方は、ぜひ僕以外の10人のブロガーがどんなことに悩み、希望を見つけ、行動しようとしているのかという、個人のダイナミズムに注目して読まれることをお勧めしたい。きっと得るものがたくさんあるはずだ。僕のところは質問文以外読まずに飛ばしてもらえると、なおありがたい。

10:43 午前 書籍・雑誌 コメント (5) トラックバック (10)

2005/10/13

生きて帰京

 何とか生きて帰京した。

 でも冷や汗が出続けていて、PCに向かって座っても、何をする気力も起こらない。廃人みたい。とっとと早く帰って寝ようと思ったが、帰ってメールボックス見たらまた面倒な要件が。しかも週末に向けてやらなければならないことを突然思い出したりするし。ぐあーーーーーーー。

 ところで今日の日経新聞の1面トップ、何これ。「固定並み料金、動画も滑らか、携帯IP電話2007年から――総務省、3―4社認可」

 お手盛り工業だったかのケイマンあたりの株主を2年越しで調べ上げてアゲようとしてる証取委と裁判所に対して「おらっちの書いた記事は、決してただ単に仕手屋の煽りに載せられて株価つり上げに荷担したわけじゃなくて、技術的な根拠と役所のお墨付きがあったんだよー」とアピールするための記事ですかそうですか。ケッ

 てか、素直に謝れよまったく。懲りないやっちゃのう。しかも記事の内容はただ「ベストエフォート」って言えば1行で済むものをわざわざ20行も費やして。こんなもん、1面トップに書く記事かっつーの。あほらし。無線LAN通信やろうとしてるライブドアを「通信ベンチャー」とか言って名前伏せるし。新しい内容ゼロ。よくこんなもん1面トップに載せるな。ま、裁判所に対する言い訳だからしょうがないか。

 しかしビデオiPod、60ギガで399ドルですか。で、ドラマ1本2ドルと。これじゃ今までいったい何のためにDVDレコーダー買ったのかわかんないじゃん。アップルすげえ。アメリカの放送局、すげえ。ソニーと松下ちょうやばい。これやったらもうDVDレコーダーとかケーブルテレビ要らないじゃん。

 あとはビデオiPodを差し込んで中の映像を自宅テレビに映写できる専用ドックを作ればいいだけだなあ。テレビで見たら、画質どうなのかなあ。60ギガで150時間って、2年前のHDDレコーダーより若干画質が悪い程度だから、普通のテレビでも十分見られそう。テレビの市場構造もこれでガラガラにぶっ壊れるんだろうか。メディア業界も大変だ。南無。

10:09 午前 日記・コラム・つぶやき コメント (11) トラックバック (5)

2005/10/12

出張先のホテルで高熱+人生の正念場

 最近過労がたたり+気温が急に下がったのに相変わらずTシャツだけでソファにひっくり返って寝ていたことなども災いして2日前ぐらいから激しく具合が悪かったのだがなんとかリポビタンDと風邪薬を交互に飲むという荒技で持ちこたえさせてきたものの昨日からの出張で過労がピークに達しているにも関わらず酒席に付き合わされて、宿泊先のホテルに着いた時には頭はもうろう、悪寒がぞくぞく、そのまま大理石のロビーの床にへたり込んでしまいたいほどの病状。気力を振り絞って部屋にたどり着きベッドに潜り込むも体温が38度を確実に超えている(当社比推定)と実感され、自宅にカミサンの声を聞きたくて電話するものの当たり前だが起きているわけもなく孤独なままホテルで死ぬんじゃないか新聞休刊日明けの明日の夕刊あたりにホテルで30代とみられるブロガーが死亡とか記事が出ちゃったらやだなどうしようとかぼんやり考えながらとにかく水をがぶがぶ飲んで汗をかきまくって何とか熱は少し下げたものの頭痛が痛い。もうだめぽ、死ぬる。ヤバイ。ブログに書きたいことはあれこれあるんだけど人生の正念場がかかってるのでこれから年末までカネにならない文章など1行たりとも書く気になれないほど追いつめられているような気がするとか言いつつ夜中に起き出して頭痛の頭を抱えながらこんなだらだらしたエントリ書いたりしてるわけだがこれはストレス解消と私はここにいます、でももしかしたら明日は死んでるかも宣言だったりするわけで、ぶっちゃけこの記事の続きだれかこのブログに代わりに記事書いてくれ。口述筆記とかでいいから。でもうわごととか出そう。しかもこんな夜中にメール書いてくる奴誰だおいってただのスパムメールかよマジ氏んでくれ。俺が死ぬかスパマーが死ぬかやあ勝負勝負。倒れる10秒前。ちなみに携帯電話は電池切れましたゴメンナサイ。

04:15 午前 日記・コラム・つぶやき コメント (7) トラックバック (4)

2005/10/05

本日発売の「論座」に寄稿

論座 11月号 例の世耕・福山両氏に会ってインタビューした件、本日発売の『論座』11月号に寄稿記事が掲載された。タイトルは「『広告』から『広報』へ――ブロガーを唸らせた自民党メディア戦略の大転換」。・・・えーとどなたか私以外に唸ったブロガーの方、いらっしゃいます?(笑)

 この雑誌、10年近く同業者であったにもかかわらず恥ずかしながら今まで目にしたことさえなかったのだけれど、読んでみるとなかなか面白い。自分はともかくとして、他の寄稿者に哲学者の東浩紀氏やビデオニュースドットコムの神保哲生氏、前外務省審議官の田中均氏などがおり、ネットでも人気を持つ人や書いたものをちょっと読んでみたい系の論客が多く、なかなか豪華な顔ぶれだ。また、他のマスコミであまり分析されなかったインターネット上の選挙関連の動向(GripBlogやYES!プロジェクトなど)もきっちりフォローした記事が載っていた。

 僕の記事は、何とgooポータルの特別寄稿に加筆修正(主に字数を削り、インタビューの結果判明した事実誤認とかを手直し)したものが載っている。文末にgooブログのURLまで載ってるし。いいのかよそれで。しかも寄稿者の名前が「R30」。文末のプロフィール見るまで、記号にしか見えないんですがこのペンネーム(笑)。でもそれをちゃんと「ペンネーム」として載せてくれたところがすごすぎ。いろいろな意味で感動した。

 で、一読者として見たときに思うのは、この雑誌、選挙後10日以内のところで出ていたら、もっと衝撃的だったろうになあということ。9/11に選挙が終わって週刊誌から月刊誌まであらかた語られ尽くした後に今頃こんな豪華な特集出されても、もうお腹いっぱいですがなという感じである。ま、それはある意味で月刊誌の宿命でもあるから仕方ないとは思うのだが、だからこそもっと違う切り口で見せる見せ方が重要だろうと思う。つまり、雑多なコラムをたくさん読まされたと読者に思わせない仕掛けのようなものだ。

 それで1つ僕が思いついたのが、ずらっと対談やコラムを並べる前に、編集者側の意図をきちんと巻頭文で解説しておけばいいと思うのだ。「今回の選挙にまつわる言説には、××、◎◎、△△といったバリエーションがあった。これらを思想的に整理すると、~~~となるが、この言説空間には☆☆☆といったところが見落とされている。今号の誰々の対談は、その見落としを指摘したものである。また、これらとは別に□□□といった論じ方のアプローチもあることが明らかになった。誰々と誰々のコラムは、この論じ方に関する2つのバリエーションを代表するものである。…」といった具合に。

 寄稿する識者の人には失礼かもしれないが、読者からすると世の中に無数に転がっている批評言説を、「論座」という編集部がどのように捉えて識者やコラムをピックアップし、それらの組み合わせからどういう論点やフレームの所在を読者に考えてもらいたいと考えているのか、ということを見せてもらったほうが、ずっと分かりやすくてためになる。逆に、コラム単体の面白さだけでは引っ張れない月刊誌にはこうしたアプローチがこれから欠かせなくなってくるのではないか。

 これに似た編集方針を採っているのが、このブログをお読みの方ならご存じの「ハーバード・ビジネス・レビュー」である。目次直後にある巻頭の「From the Editors」というコラムで、特集(Feature Articles)の企画趣旨と、掲載された4~6本の論文のポイントをそれぞれ10行程度で解説してある。これは読者にとって、自分の思考の関心に特集の中のどのコラムが応えてくれるのかどうかを確認できる便利さがあると同時に、「この編集部は特集を、単に“面白いから”といった興味本位でなく、構造化された知見として提供しようとしているのだ」という、情報に対する信頼感が生まれる効果も併せ持つのだ。

 社会学の論文集と違い、一般月刊誌はフレームの中に位置づけられないような話があるのだ、そんな「見取り図」を書くなんて不可能だ、という反論も出てくるだろう。しかし、同じ「面白いコラム」をぱらぱらと読むだけなら、今やインターネットでも週刊誌の立ち読みでも、どこでも読めるのである。同じクオリティのコラムを他より遅く出すのなら、それに見合っただけの知の構造化が付加価値についていなければ、わざわざ買って読む意味合いはない。

 ・・・と、自分の記事のクオリティを棚に上げて偉そうに編集部批判をしてしまったが、やはり自分で書いた文章というのは客観的に見られないものなので、ここではあえて語らない。読んだ方からの批判・罵倒をお待ちしたいと思います。ちなみに、個人的にはR30のコラムは、その前に掲載されている世耕・福山両氏のインタビュー記事を踏まえた総合分析、というかたちに整えたつもりではある(といいつつ、ゲラの段階では両氏の記事など目も通させてもらえてないわけだが)。なので、両氏のインタビューと合わせてお読みいただけると、より面白いのではないかと思う。

08:46 午前 経済・政治・国際 コメント (4) トラックバック (7)

2005/10/03

WiLL「朝日は腐ってる」特集を読んだ

WILL 11月号 finalvent氏の10/1のはてなダイアリーのコメント欄で、月刊WiLLに朝日新聞批判の特集が載っていて「やたら面白い」と評されてるのを見た。目次はこちら→月刊ウィル最新号目次

 ネットを見てると、朝日新聞批判は食傷気味になるほどあちこちにあるのだけど、同じマスコミで特集まで組んで朝日を批判するのもずいぶん思い切ったことだなと思ったのと、とは言えNHK問題やこの前の選挙報道のねつ造あたりで新しいファクトでも出てるんかしらと思って、買ってみて読んだのだが、全然新しい話なんかなかった。

 finalvent氏の「極東ブログ」での分析を読んでる方が、ずっとシンプルに選挙報道ねつ造事件の問題点が理解できる。というか、あの事件に関してのコメントは、極東ブログの推論とまったく同じじゃん。意味ねー。

 WiLL自体が彼のための雑誌とも言えそうな渡部昇一大センセイは相変わらず「反日思想云々」うるさいし、その他の寄稿も最高につまらん。finalvent氏の日記でid:eternalwind氏が「本田(雅和)ウォッチャーにはお勧め」と書いてあった福田文昭氏の文章も、別に本田雅和の新たなインサイトに迫っているわけでもない。あっそ、の世界。匿名座談会は、むしろ「朝日ってトップが下手踏むと現場からそんなにメールやら何やらで突き上げがある会社なんだ~」と、むしろ感心した(笑)。ある意味、腐った組織の事例としてはまだ健全な方かも。

 今号のWiLLでむしろ見るべきコラムは、フジテレビの報道2001の黒沢祐治キャスターが書いている「テレビの中の人間から見た、小泉劇場の評価」というやつ。淡々と今回の自民党と民主党のコミュニケーション戦略についてテレビ側から見た比較分析を書いていて、なかなか興味深い話でした。あと、勝Pの「築地をどり」コラムが(コテコテ)^2のレトリックで、中身はどうでもいいんだけど相変わらず過ぎて笑えた。

 で、話を戻して朝日特集なんだけど、WiLLってまさに朝日批判専門誌って感じで別にこういう企画自体既視感満点というか、もはや今は朝日叩き自体が(勝Pコラムのように)一種の論壇エンタテインメントの一手法として確立されつつあって、まあ花田紀凱編集長はその第一人者なんでしょうねえと。そして、結局新しい話というか新しい切り口は何もなし。それ以上でもそれ以下でもない。

 渡部昇一とかが「朝日は日本のプラウダである」って結論づけてるけど、「だから、何?」って思う。プラウダでもカナル・プリュでも何でもいいけど、それで儲かってんだから、いいじゃねーか。余計なお世話だよ。

 むしろ問題の端的な本質は、朝日新聞という企業がそれだけ「腐って」いて、「経営者がバカ」で、「言ってることとやってることが違う」らしい組織でありながら、昨年度は単体でも連結でも増収増益、113億円もの純利益が上がって隆々たる経営状況だということのほうだ。この数字にまったく触れずに「朝日はプラウダだ」とか喚いてみても、説得力なかろうに。

 ブログ界を眺めていると、内田樹センセイが「朝日新聞の購読はもう止めた」と宣言したり、この半年で割とコアな朝日新聞読者だった人の朝日離れが進み始めているような印象もあるのだけれど、実際のところどうなんだろう。だいたい、朝日を購読してる人ってネットのネの字も分からないようなイメージがあるから、ネット内だけでサンプリングしていてもわかんないんだよね。そういうのを調べてくれることを、朝日批判雑誌には期待するんだけどな。

 単に朝日新聞のクラッシュがいつ頃来そうか、ということが知りたければ、例えばこのエントリとかこのエントリとか読めば分かるわけだし、新聞というものの将来を考えてみたければこのエントリとかを読んだりすればいいわけで、今さら雑誌でネットに氾濫する朝日毒舌をまき散らしたところで何になるんだろう、とか思う。その意味ではWiLLもネタにするものの対象こそ違えど、内田樹の言うように「あなたが知らないことを私は知っている」というネタの差し出し方で雑誌を売ってカネを稼ぐという点で、朝日と何ら変わるものではなく、同じ大文字の「ジャーナリズム」村の住人にすぎない。

 ま、会社なんて従業員が泣こうが喚こうが変わらないものは変わらないのであって、本当に会社が変わるのは株主が変わる時か、顧客が消える時だけですよ。だって会社は株主のもの、利益は顧客がくれるものだから。

 朝日新聞も、村山家の持ち株相続問題の時限装置が刻一刻と迫っていて、しかもその株式を買い取るための資金を作っておこうという経営陣の意志もこの財務諸表からは読みとれないので、今後10~20年のどこかでこの問題がきっかけに同社が変わることは間違いないでしょう。良い方向か悪い方向かは別にして。僕はfinalvent氏のように「朝日には再起するだけのインテリジェンスがある」とかは思わないけど、支配権を持つほど大きな比率の株式の所有権移動が起きることで、朝日に何らかの変化が起きることは間違いないと思う。そんだけ。

07:29 午前 メディアとネット コメント (13) トラックバック (4)