ありがちな「PDA2.0」論
「ややこしや~、ややこしや~、誰が敵やら味方はどこやら」。PalmがMicrosoftのOSを搭載した携帯電話端末をVerizon Wirelessから発売するそうな。おお、ぱーむよ。まっくろそふとになびいてしまうとは、なさけない。
米マイクロソフトとパームが携帯電話事業で提携(NIKKEI.NET)
リストラしても残った社員は養わなきゃいけないし、PalmOS6は使えないと分かっていても携帯電話は作らなきゃいけないしということで、やむを得ない決断ではあるのでしょうが。しかしお前ら、プライドってものがないのか。ないですかそうですか。
しかし逆に言うと、次世代PDAのあるべき姿的なものがこの1年ぐらいでものすごくはっきりしてきたので、Palmにとってもここで動かないでいつ動く!ぐらいの感覚なのかも知れない。
次世代PDA(PDA2.0)とは、これまで言われてきた携帯電話コアなものと、iPodのようなソリッドオーディオコアなもの、このどちらかだろう。前者の最右翼はDocomo、Blackberryあたり。そして後者はもちろんApple。
もちろん1つの端末に両方の機能を持たせることは可能だろうが、どうも個人的な感覚から言うと、この2つは端末として分かれていた方がいい気がする。
通信端末というのは、メールだの電話だのがいつ飛んでくるか分からず、飛んでくれば今やっている作業を中断せざるを得ない。端末を使っている時間が100%自分の自由にならないもの、という印象があるし、他人との連絡手段だからバッテリーが切れたりしたらマジで困る(その瞬間に自分がビジネス空間に存在しないものになってしまう)。
一方、ソリッドオーディオプレーヤーというのは、やはり100%自分の自由になるものだ。バッテリーが持つ限り、映像やマルチメディアも他人に割り込まれることなく楽しみたい。この2つを1つの端末の中に同居させるというのは、今から考えると結構無理があったのではないかと思う(だから、モトローラの出したiTunes入り携帯電話なんて、全然欲しいと思わない)。
あとは、PIM的な機能をどちらの端末に潜り込ませて使うかということに尽きるだろう。ワイヤレスでサーバーと直接同期させたいのなら携帯電話端末と一緒にすればいいし、端末独立でPIM機能を使いたい、あるいは自分のPCと同期させておけば十分というインディペンデントな人であればソリッドオーディオプレーヤーに組み込むのが自然ということになる。つまり、大企業などの法人向けには前者が売れそうだけど、個人事業主やライフスタイルを会社に縛られたくない人なら後者を買う、ということになるんじゃないかな。
そういう意味では、Microsoft+Palm+Verizonという組み合わせは、ユーザーとしては前者を狙ったものだろうし、企業としてとてもまっとうな判断だ。でもMicrosoftには、自分で携帯電話やオーディオプレーヤー作るっていうのがどれだけリスクがでかいか分かってるから、絶対にやらない。ゆえに水平分業が進んでいる携帯電話分野では橋頭堡を築けるかもしれないけど、垂直統合が有利なオーディオプレーヤー分野ではたぶんAppleに追随することすらできないだろうね。
個人的には、もう前者のパターンにあまり期待はしてない(実際にやろうとなると、企業側の社内システムのところがボトルネックになりすぎるので)。端末やクライアントソフトの進歩に比べて、企業内システムの進歩が遅すぎるのだ。だから全然つまらない。
後者のパターンが、やはりこれからのPDA2.0の成長を牽引すると思う。Appleは下手にiTunesを携帯電話なんかと一緒にしようとせずに、どんどん独自のiPodワールドを極めてほしいと思う。
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コメント
ナール
ま、iPODも基本2つにわかれるのとちゃうかな
一眼レフとケータイにインテグされる奴と
どっちしても、供給源のiTunesはなくならない...ト
投稿: マルセル | 2005/09/27 12:37
いまだに電子辞書だけ独立して存在してるのがなんとも。
投稿: Cyberbob:-) | 2005/09/28 05:57
日本の携帯電話も、高機能端末ではあるが、smartphoeではないわけで、独立して存在しているも同然ですなあ
投稿: aquila | 2005/09/28 15:54