【映画評】交渉人 真下正義
好き好んで鉄道ネタばっかりエントリ書いてるわけじゃないんだが、何ともはや…(汗)またそっちネタですが申し訳ない。封切り初日でしたが、観てきましたよハイ。
個人的に「踊る~」のファン、というか亀Pのファンなので、彼の製作指揮した作品はなるべく観に行ったろうと思ってます。彼の「商業主義が何だ、商業主義で悪いかコノヤロウ」的な徹底したマーケティングマインドと、1800円払って「損した」と客に決して思わせないだけのクオリティを見せ続けるというプロとしてのプライドに、心底敬服しているので。今回もそのあたりは完璧でした。ついでに言えば、撮影に全面協力してアーバンネットワークの車両とか出まくりなJR西日本が大事故を起こしている最中にマスコミお得意の「自粛」「延期」などものともせず堂々公開したその大胆さにも、脱帽。
初日の館内を眺め回してまず驚いたのは、年輩の観客がすごく多かったこと。前回の「踊る~II」は、全世代の琴線に漏れなく触れるように配役や脚本が徹底的に練り込まれていたが、やはりそのあたりの効果は絶大だったようだ。しかし、今回は50代以上を「琴線ターゲット」としていた和久平八郎役のいかりや長介が亡くなったこともあり、前回獲得した年輩層をどうつなぎ止めるかがマーケティング上の1つのハードルだったと思う。
5月に「交渉人 真下正義」、そして8月に「容疑者 室井慎次」の公開を予定していると聞けば、これが「Matrix」シリーズで確立された「どうせやるなら怒濤の三連荘」パターンの忠実な踏襲だということが分かる。実際、前回の「踊る~II」のDVDではしつこく「交渉人~」のPVが流れていたし、今回の映画の前後(エンドロール後にまでもう一度!)にも、これでもかというぐらい「容疑者~」の予告編が流される。つまりは、「踊る~II」のDVDをトリガーとした三連荘マーケティングの変奏形態なのである。
ただ、「Matrix」がしょせんは3つ合わせて「単発」の企画だった(だから2(リローデッド)、3(レボリューションズ)は息切れ気味でさんざんな評価だった)のに比べ、こちらは「北の国から」の終わってしまったフジテレビの映画部門が、これから10年はメディアミックスで食いつなぎ続けなければならないシリーズである。しかも、この2作の興行収入が映画事業部の(ということはつまり亀Pの)来年の予算枠を実質的に決めるはず。スピンオフものと言えども、「手抜き」の評価に甘んじてコケるわけにはいかない。
そういう意味で、製作チームには相当気合いが入っていただろうし、実際その気合いが感じられる作品だった。ネタバレしない程度の内容については前田有一氏の「超映画批評」あたりでも読んでもらうとして、個人的に少し感じたことを。
前段でも述べたが、この映画のマーケティング上のハードルは、いかりや長介なしで年輩層の「踊る~」ファンをどうやってつなぎ止めるか、だったはずだ。それに対する亀P製作チームの結論が、小泉孝太郎以下若手チームの「デジタル&ハイテク」vs寺島進や國村準、金田龍之介といったベテラン陣演ずるところの「勘と経験」のオヤジたちという対立の構図だった。ユースケサンタマリア扮する真下は、その間に立って両方の橋渡しをする役どころである。
金田龍之介の「ダイヤってのはな、ナマモノなんだよ。ほっとくとすぐ腐っちまうんだ」といった決め台詞などは、脳裏に去来する尼崎の事故とも重なり深い印象を残す。良い芸術は世の中の動きを予見すると昔から言うが、少なくともこの映画はそういう絶妙のタイミングで問題提起を投げかけていることは間違いない。
ただ、僕はその構図に対するこの映画の結末には違和感がある。デジタルチームは携帯電話を使った犯人の足跡追跡程度しか成果を上げられず、犯人像の特定には結局失敗する。一方、勘と経験チームは爆弾の爆発と列車事故を食い止め、見事“勝利”する。最後に真下が木島警視(寺島進)にある判断の根拠を尋ねられて、こう答える。「いや、ただの勘ですよ!」デジタルの敗北、勘の勝利。年輩客にとっては溜飲が下がる瞬間だ。
だが、本当にそれでいいのか。「ハイテクばかり頼るな、勘と経験が仕事の醍醐味だ」。それはまったくその通りだ。特にシステムが壊れてしまった非常事態においては。だけれど、僕らの日常は既にデジタルで埋め尽くされている。好むと好まざるとにかかわらず、デジタルとつき合っていかなければならないのだ。
もちろん、最後の木島の質問に対して、真下が「それはかくかくしかじかの理由で…」と判断の根拠の説明を始めたら、ドラマにならないに違いない。だからあの「勘ですよ」の一言は、木島に対する真下のリップサービスとも考えられるし、勘を駆使して走り回った先輩刑事への感謝の言葉の代わりだったかもしれない。
にしても、木島の「勘」頼りの捜査はしょぼすぎやしないか。同じ「勘」でも、TTRの指令室の面々や線引き屋の「勘」のほうが、ずっと大きな成果を上げているように見える。一見デジタルに埋め尽くされたように見えるあの部屋には、「鉄道屋の誇り」とも言えるアツイ心と「勘」が満ちている。
今現実の若い僕たちが直面する問題は、あのアツイ心と勘を、デジタルに囲まれた日常の環境でどうやってまもなく引退する団塊の(あるいはもっと上の)世代から引き継ぐかということなのだ。真下正義は、僕たちのその悩みに何か解決のヒントを提示してくれたのだろうか。残念ながら僕にはそれが読めなかった。
これまで「踊る~」のコアなファンは、今の30代だったと思う。織田裕二、深津絵里という同世代が出演していて、そしてやんちゃばかりする彼らを「俺は現場を信頼する」と、体を張って守ってくれる柳葉敏郎のような上司が最後に生き残るあの物語に、「組織がいかにダメダメでも、志のある人間は最後に生き残れるんだ」という夢を見て、僕らはうんざりするような日々の仕事に少しだけ希望を持てた。
だけどこの「交渉人~」は、前作から「踊る~」の新たなファンに加わった中高年層のマーケティングに傾注するあまり、コアファンだった30代を置き去りにした感が否めない。確かにユースケサンタマリアは、自然な演技で良かった。だが、東大出のエリートでロサンゼルス市警に留学して日本初のネゴシエーターになって戻り、CIC準備室の部下5人を率いつつ美人の彼女からデートに誘われている真下正義という男に、いったいどうやって感情移入しろというのか。そりゃ無理というものだ。
アクション映画としてのクオリティは確かに高い。ペアで観に行くにも、1人で行くにもとりあえずはお勧めだ。この調子なら、次回作もきっと期待できるだろう。だが、これまでベタベタな「全方位琴線マーケティング」を得意としてきた亀Pのチームの作品にしては、意外とも言えるほど基本的な部分での「ハズシ」に、僕は今、どうリアクションして良いのか分からず、戸惑っている。
ちなみに、これからこの映画を観る方、特に首都圏以外にお住まいの方には、基礎知識としてこちらのページの中の「幻のトンネルの画像」というところを読んでおくことをお勧めしたい。
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コメント
>今現実の若い僕たちが直面する問題は、あのアツイ心と勘を、デジタルに囲まれた日常の環境でどうやってまもなく引退する団塊の(あるいはもっと上の)世代から引き継ぐかということなのだ。
簡単なことじゃないですか。
デジタルに囲まれていないと日常が成り立たないと考えている限り、引き継ぐなんて無理でしょう。
投稿: antiECO | 2005/05/08 07:13
>デジタルに囲まれていないと日常が成り立たないと考えている限り、引き継ぐなんて無理でしょう。
デジタルを運用するのは結局は人間ですよ。
それ以前にそのデジタルを作るのは他でもない人間ですし。
デジタルを何か特別なものと思ってやいませんか?
投稿: Scott | 2005/05/08 09:20
>デジタルを何か特別なものと思ってやいませんか?
少なくとも私は特別なものとなど少しも思っていませんが。
少なくとも今そして近未来の技術レベルではデジタルにアツイ心と勘を落とし込むなどそのアツイ心と勘を保有している当人が直接参加しないことには到底無理な話ではないですかということを、簡単に述べただけですけどね、簡略化し過ぎたでしょうか(笑)?
まずは、職人技を体得してからデジタルに落とし込むことに挑戦してくださいね。
投稿: antiECO | 2005/05/08 10:23
>少なくとも今そして近未来の技術レベルではデジタルにアツイ心と勘を落とし込むなどそのアツイ心と勘を保有している当人が直接参加しないことには到底無理な話ではないですかということ
現在のデジタルに関わるモノづくりにはアツイ心や勘や職人芸を有している人は関わっていない、と読み替えて宜しいのでしょうか?
投稿: Scott | 2005/05/08 11:28
>1800円払って「損した」と客に決して思わせないだけのクオリティを見せ続けるというプロとしてのプライド
え~?
前回の「踊る~II」の犯人たち、よくもまあ成算も根拠もない犯罪をやったものだと。
そういう深いプロットなしに勢いで映画にしてしまうのが「商業主義」なんでしょうけど、「最低限」(このへんのラインは人まちまち)の根拠は用意して欲しかった。私にはプライドを捨てて、開き直ったようにしか見えなかった。
投稿: 三島八雲 | 2005/05/08 11:41
1800円の価値って人それぞれですからなぁ。
私の場合、1800円あればゲーセン逝って半日粘れますしそれで楽しいですから、2時間前後の映画で1800円ってのは、ちょっとぼったくられてるように感じる。
1800円持ってても2,3時間のヒマを潰せないような場合は、映画館でボーっとスクリーン見てるのも楽しいかもしれない。その程度かな。
基本的にテレビに限らずモニター・スクリーン眺めるのは1時間500円が相場で映し出される価値によって価格変動アリって認識ですから、「交渉人」に1時間400円の価値があるとは…ちょっと思わない。ファンじゃないからかもしれないけど。
映画館の入場料2時間1000円・映画の商品価値2時間300円と考えるので、500円分は損した気分。
先日プロ野球の2軍の試合が地元であって観戦しましたが、3時間1000円で、わりとお得だったように思いました。
漫画や文庫本は1冊5,600円でも数時間読めますし(とっとけば)2,3年は堪能できる。
ゲームは値崩れして3000円になってから買いますが、それでも一度買ったら半年遊ぶので1回あたりのプレイ料金は10~20円くらいまで絞りますし。
そう考えると、2,3時間の爽快感と早見の優越感に1800円は、ちょっと出しすぎのような気も。
まぁ、1800円の価値って人それぞれですからなぁ。どっちゃでもいいです。観に行ったけどそれほどでもなかったので落胆カキコ。
投稿: うんこ | 2005/05/08 13:24
人生のお話
あなたは今病院にいる
デジタル設備の完璧な集中治療室にる
心電図が刻々とモニターに表示されている。
横たわっているあなたはアナログの生身の人間、
死さえもあなたは気ずかない。
投稿: youjin | 2005/05/08 15:18
横レス失礼します。
>antiECOさん
「デジタルvs勘と経験」という戯画化された構図では見えなくなりますが、デジタルを使いこなす(得られた情報を元に、やらねばならないことを判断する)には勘と経験が必要です。でないと戯画化されたとおり「デジタルにより得られた情報をそのまま受け入れるだけ」みたいになります。
大雑把な言い方ですが、求められるのは「職人技を体得してからデジタルに落とし込む」ことではなく「デジタルを使う職人技を体得する」ことだと思います。ふたつの職人技は当然同じ物ではありませんが、求めようとする結果は共通です。というより、「デジタルvs勘と経験」と対立させた場所からはなにも生まれないとさえ思います。
デジタルという言葉が指すものはときにかなり曖昧ですが、物理的な機器づくりにせよプログラミングにせよ、現場はおそらく職人技だらけです。SE/プログラマ界隈では、2007年問題なるものがずいぶん前から喧伝されていますし。
投稿: Nakada Hiroshi | 2005/05/08 16:22
人間は究極のデジタル。
遺伝情報は4進数で記述され20進数のアミノ酸といくつかの制御コードに翻訳される・・・
一応結論が出ていないので書いておくと、思考が量子力学を利用してるとすると究極のアナログたりえる・・・か?
R30さんの話に戻すと、勘ってのは結局のところデジタルな結果なのではないかと。途中経過が見えない人間の脳で計算されただけで。
人間の脳とコンピュータの間には情報収集能力に格段の差があるだけなのではないかと思う。
たとえば情報収集に差が無くなってきてる分野では(コンビニの仕入れなど)勘を使う機会は無くなってきているわけだし。逆に映画ではないが凶悪事件などでは五感をフルに使う人間が優位だったりするのではないかと。
そういう意味で「現場にある勘」は「現状の」デジタルをひっくり返すに十分な力を持っていると考えられる。
これは逆に言うと現状のデジタルを見ているだけではコンピュータが出す結論以上のことは出せないということを意味する。
つまり、やっぱり、現場に逝って五感で感じろって事になるのかな^^;
あと、熱い心はまったく別の次元と思われ。
デジタルに囲まれようが、何かを作るんだ!守るんだ!という気合(?)は薄れることは無いと思う。
ただ、熱い心を一人で保つのは難しいと思うので、デジタル化して人減らしってのは安直過ぎるのかなぁと思う今日この頃。
投稿: くりすた | 2005/05/08 16:34
>Scottさん&nNakadaさん
話が訳ワカメですね。
くりすたさんがおっしゃっていることでおそらくおわかりだと思いますが、数十年かかって磨き上げた職人技を支える知識、経験、技術の蓄積をプログラムやデータベースに落とし込み、さらにそれを制御するプログラムを書くことは、その知識、経験、技術がなんたるかを理解する、つまりは(経験によって磨かれた)勘が出来ないことには無理な話で、デジタル化する従事者にはとても優秀な方々がいらっしゃるのは重々承知していますが、それでも職人技を理解するのと、それをプログラムとバックグラウンドデータに置き換えるのどちらが早いですかねぇということです。
その際には、職人技を体得する以上の根気と努力が必要なのに、段々ヘタレが多くなってきている状況では無理でしょうと。(笑)
それと、デジタルを使う職人技なんてのが有効なシーンは現在そして近未来では限られて居るんじゃないですか、少なくとも、今必要な職人技の代替が期待されている分野ではさっぱりだと思うのですが。元々その分野のアナログな職人がいなかったもしくは少なかったから成立しているだけで。
話がブレるとあれなので繰り返しますが、私の話はアナログな職人技の代替の話(R30さんの話の筋)について言っていることで、それをデジタルで代替するのは当分は無理な話だし、その当分のうちに職人さん自体を失ってしまうので、近未来も無理でしょうということです。
それから、デジタルを使いこなす職人技ですが、生きた職人のように見てまねるとか盗むってことができないので、その職人技を身につけるのはもっと困難なんじゃないですか。
遙か昔にデジタル化神話なんて崩壊していたと思っていましたが、日本ではそうではないようですね。
投稿: antiECO | 2005/05/08 18:37
こ…このエントリーは裏・R30@DiaryNoteでやった方がよかったのでは?(汗
投稿: てけてけ | 2005/05/08 18:56
>antiECO氏
話が訳ワカメなのはこっちもなんですけど、なんで訳ワカメなのかは今のでよく解りました。
「アナログの職人技術をデジタルに落とし込む」
という話をしてたんですね。そちらは。
こちらがしているのは
「デジタルという”道具”を使用する、もしくはデジタルというモノづくりをするにあたって職人芸を生かすには」
という話です。私はR30さんの話の筋はこういうことだと思っていたもので。
と、そういう話をした後で
>デジタルを使いこなす職人技ですが、生きた職人のように見てまねるとか盗むってことができないので
とか言われると、やはり「デジタル」という言葉にどういうものを想定して話しておられるのかがよく解らなくなるのですが。
こちらとしては「アナログとデジタルの違い」というのは
「ネジを締めるのにドライバー使うか電動ドライバー使うか」
というぐらいの差でしかないと思っているので、そういうことを言われると非常に違和感を感じます。
投稿: Scott | 2005/05/08 19:56
最初に戻らなければなりませんか?scottさん。
>あのアツイ心と勘を、デジタルに囲まれた日常の環境でどうやってまもなく引退する団塊の(あるいはもっと上の)世代から引き継ぐか
というR30さんの話の話から始まっているのに、どうして、ドライバーと電動ドライバーの話になるのかわかりませんね。いくら電動ドライバーを使ったってねじの角度、締め具合、仕上がりは職人のようにはいかないですよ。
デジタルってたいしたことないからこそ、魂や勘を入れ込むには大変な努力が必要だけど、そんな根性のない人達には到底無理な話と言えばいいですか?日頃囲まれているデジタルって実はたいしたものじゃないし、そんなたいしたものでもないものすら使いこなす技量もほんの一部にしかないってことで。
だからこそ、「デジタル化神話って崩壊していたと思った」と書いたのですが。
それにしても、団塊の世代から引き継ぐものはドライバーの電動化並のものという認識なんですね。
投稿: antiECO | 2005/05/08 20:21
>「ネジを締めるのにドライバー使うか電動ドライバー使うか」
これ、全然デジタルじゃないじゃん
もしかして「デジタル=電気自動化」で再定義されちゃってる?
何かデジタルって言葉が独り歩きしてる希ガス
前、デジタイヤが発売されたとき、デジタルのタイヤってなんだよw
って突っ込んだの思い出したな。
投稿: 名無しさん | 2005/05/08 20:31
「例えば家を建てるとして、職人芸は設計から建築に至るまで、ありとあらゆるところに存在します。そこで、ネジの締め方が手動でなくなったとしても職人芸が失われる事にはならない」
「ドライバーによるネジの締め方に職人芸が存在するのと同様、電動ドライバーは電動ドライバーで使い方に職人芸が存在する。」
という例で電動ドライバーを出したのですが、言葉足らずだったようですね。すいません。
というか、antiECOさんが何を言いたいのかがこちらにはよく解らないのですが。
>そんなたいしたものでもないものすら使いこなす技量もほんの一部にしかないってことで。
結局「今の若いもんはダメだ」という事ですか?
投稿: Scott | 2005/05/08 20:50
>antiECO氏
「デジタル」「職人芸」という言葉をどういう意味で使われているのかを説明していただけると非常に助かります。
私は
「デジタル=データの表現の違いだけであり、本質的にやっていることはアナログと変わらない。故にデジタルの世界でもアナログと同様に職人芸は存在する。」
「職人芸=卓越した能力。故にプログラミングにおいてですら職人芸は存在するし、ある程度まで自動化されたシステムの運用(SEの仕事という意味でも、それを実際に使うクライアントという意味でも)においても職人芸は存在する。」
というものです。
投稿: Scott | 2005/05/08 21:03
自分で言い出しておいてなんだけど、デジタルの定義はさておいて。
#>こちらとしては「アナログとデジタルの違い」というのは
#>「ネジを締めるのにドライバー使うか電動ドライバー使うか」
#って部分にすげー違和感を感じたので聞いたけど
技術ない人でも使えるのがハイテク機器の存在意義なので
使い手に技術求められるならすでに矛盾してんでない?
と思ったりして。
そこで生じる意識差はいかんともしがたいと思うので俺もantiECO氏に同意かな。
投稿: 名無しさん | 2005/05/08 21:16
>あのアツイ心と勘を、デジタルに囲まれた日常の環境でどうやってまもなく引退する団塊の(あるいはもっと上の)世代から引き継ぐか
ここでわーわー言ってる間にも、職人芸のデジタルへの移植は着々と進んでおります。
わかり易い例でいうと、最近のATCやTASCでの緩めブレーキとか。
(ベテラン運転士がカックン停止を防ぐために停止直前にするアレ)
アツイ心が移植できるかどうかは寡聞にして存じません。
一部の事業者とメーカーは技術継承に対する問題意識は持っております。
それが足りてるかどうかは別にして。
投稿: なんだかなー | 2005/05/08 21:17
工学院の曽根セソセイやUNDPの齋藤セソセイは
昔からこの問題についてくどいほど指摘していました。
この問題と齋藤氏については↓でも軽く触れられてます。
http://blog.livedoor.jp/itobun/archives/20074541.html
さっきは「それが足りてるかどうかは別にして。」と書きましたけど
他の業界と比較すれば確実に遅れてるとは思います。特にJR。
投稿: なんだかなー | 2005/05/08 21:47
>技術ない人でも使えるのがハイテク機器の存在意義なので
>使い手に技術求められるならすでに矛盾してんでない?
技術がない人に使えると同時に、技術がある人にはそれ以上の性能を提供しなきゃならないのもハイテク機器なので、別に矛盾はしてないかと思います。この辺、Windowsの設定とか思い浮かべてもらえれば。
最後の微調整とか設定とか、どんなに自動化しようと結局は人間以外にはどうしようもない部分は残りますよ。どうしても。
投稿: Scott | 2005/05/08 21:56
勝手に話を鉄道に絞ったコメント投げた自分が言うのもなんですが、
>技術がある人にはそれ以上の性能を提供しなきゃならないのも
これは今回の話には関係ないんじゃないかなー。
投稿: なんだかなー | 2005/05/08 22:07
コ メ ン ト 欄 が 勝 手 に 暴 走 し て ま い り ま し た !
投稿: うんこ | 2005/05/08 22:39
>技術がある人にはそれ以上の性能を提供しなきゃならないのもハイテク機器
そんな、出来る人は出来るし出来ない人は出来ない、みたいなトートロジーで返されても。
問題はその、出来る人と出来ない人の比率は変化しないのか?って事じゃん。
道具が不便なため使い手を鍛えざるを得なかった時と
道具が補ってくれるので使い手は鍛えなくても良い時と
求められる必要十分な技術の幅が異なるのは当然の流れでないのかな。
#AT運転に慣れるとMT運転が出来ない奴が増えるっていや通じる?
#あるいは漢字が分からなくてもワープロの漢字変換で済んでしまうとか。
けど、基本的にこれは人を信用してるかしてないかの違いかもね。
俺は「人は楽が出来る状況なら手を抜こうとするもんだ。進んで苦労しようとする奴はあまりいない」
からハイテク機器が道具に見合った努力しかしなくなると思ってるので、話がかみ合わないのかも。
寝ます。
投稿: 名無しさん | 2005/05/08 22:41
>ハイテク機器が道具に見合った努力しかしなくなると思ってるので、
勝手に仕事が終わる小人さんかw
ハイテク機器に見合った努力しかしなくなる、の間違いです。
投稿: 名無しさん | 2005/05/08 22:45
そりゃデジタル対アナログなんて安っぽい視点に落とし込んだら
コメント欄暴走くらいするよ
投稿: 名無しさん@ネット右翼 | 2005/05/09 00:09
>名無しさん氏
>「人は楽が出来る状況なら手を抜こうとするもんだ。進んで苦労しようとする奴はあまりいない」
これには同意なんですけど、手が抜ける状況になった頃には(楽になった分)外からさらに一段上のレベルの仕事を要求されるので、結局楽ができる状況にはならないと思うのですよ。いくらハイテクが進んでも。
ワープロの例で行くと、漢字を辞書で調べる必要がなくなった分、さらに短時間で大量かつ正確な文書を作成することを要求されたりとか。
投稿: Scott | 2005/05/09 12:59