« 幕張地域が宇宙人に制圧されました | トップページ | 三角合併、一時凍結…そして霞ヶ関の深謀 »

2005/03/10

だれか事業化してくれません?画期的なタクシーのサービス

 タクシーに乗るたびに「不景気なのに車両数ばっかり増えて全然儲からない」的な愚痴を運転手から聞かされるのにうんざりしていたんだが、最近わざわざ電話で呼び出してでも使いたくなるタクシーの画期的なアイデアを思いついた。誰かベンチャースピリットに富んだ人は、MKタクシーが参入する前にやってみてください。

 その新しいアイデアとは、「タクシーの運転手に心理カウンセリングの技術を身につけさせる」というものだ。

 だいたい、タクシーに乗っている時間はヒマなのである。本当はクルマで移動している間に本や資料を読んだりメールを見たりできればベストなのだが、揺れるクルマの中でテキストを集中して読むと気分が悪くなってしまう人は少なくない。いや、むしろ気分が悪くならない人が珍しいぐらいだろう。僕もその1人だ。

 ということは音声系の情報ツールしか使えないということになるが、2人以上で乗っていれば打ち合わせや商談もできるが、1人で乗っている時には音楽を聴くぐらいしかない。それでもいいのだろうが、せっかくタクシーに乗るのだ。何か付加価値、つまりコミュニケーションがほしい。

 しかし運転手としゃべると、これがまたむかつくことがやたら多い。官僚や政治家の悪口で盛り上がる程度ならまあ新橋の赤ちょうちんの会話の延長だし多少のストレス解消にもならんこともないが、ライフスタイル的な話に踏み込んだ瞬間に話が合わなくなる。

 こっちは自腹で数千円のタクシー代を払おうという人間であり、夫婦ともにしゃかりきで働いているわけである。ところがたまに気の利かない運転手がいて「やっぱり子供はちゃんと母親の手でしっかり育てないとねえ。子供をほったらかして働きに出る母親なんて、何考えてんだろうねえ」みたいなネタをふりやがる。

 後ろから頭をぶん殴って「今すぐクルマを止めて降ろせこの野郎」と叫びたくなるのを抑えて我慢して黙っていると、こっちに相づちを打ってもらいたいのか、話がどんどんエスカレートする。家の前で降りた時には、仕事で疲れ果てた頭にさらに血が上って吐き気まで催すという最悪の事態。

 外側のどこかに「このタクシーで気に障るトークを運転手にされた場合には無料とさせていただきます」みたいなシールを貼っているタクシー会社はないものかなどと思っていたら、先日カミサンが「すごいタクシーに乗った」と報告してきた。

 何でも、仕事に疲れ果ててタクシーを拾ったところ「お客さん、私はカウンセリングの資格を持ってるんです。ずいぶんと心労がたまっていらっしゃるご様子ですが、お話しされてみませんか?」と言い出し、カミサンが悩み事をしゃべると「それはね、お客さん、自分をとにかく褒めることですよ。どんなことでもいいから、自分を褒めてあげてごらんなさい。きっと良くなります」と、何とも的確なアドバイスを返してくれたのだとか。

 今、心身ストレスで鬱になったり精神に異常を来したりするサラリーマンが激増していると言われている。だが、実はその受け皿になる心療内科の数は非常に少なく、ほとんどの心療内科は1ヶ月先まで予約で一杯の状態だ。しかも、そもそも精神の病で病院に行くということ自体に、多くの人にとってものすごい抵抗がある。潜在的な心理療法のニーズを持つ人は、莫大な数にのぼるだろう。

 ちょっと自宅まで距離のある人なら、月に2~3回はタクシーに2~30分乗ることがあるだろう。心療内科の病院に行くところまでは思い切れないが、心が疲れたと思った時にさりげなくタクシーの中で心理カウンセリングが受けられるとしたらどうだろう。運転手の方も、専門的な訓練を受ければ客の声を聞くだけである程度的確なアドバイスが出せるに違いない。

 医療行為とは言えないからカウンセリングそれ自体に対して料金を取ることはできないだろうし、薬の処方もできないだろうが、仕事上のストレスなどであれば、リラックスできる音楽をカーステレオで流しながらゆったりと相談に乗ってあげるだけで、相当和らげることができるものである。長距離の客なら、電話で予約してでもそのタクシーを利用したいという人は多いのではなかろうか。

 というわけで、カミサンにはそのタクシーの運転手の連絡先を聞き出して携帯電話番号を調べるように言ったぐらいなわけだが、誰かこのアイデア、事業化しませんか。すごい付加価値になると思いますよ。

|

« 幕張地域が宇宙人に制圧されました | トップページ | 三角合併、一時凍結…そして霞ヶ関の深謀 »

コメント

やってみてーな、これ。
高付加価値サービスで変に安くしなくてもいい感じ。
でもスポンサーいないや。求むスポンサー。

投稿: おやじまん | 2005/03/10 18:59

客が本物の病人だったりすると守秘義務のからみで難しくはないのだろうか?

投稿: とんぼ | 2005/03/10 21:38

運転しながら傾聴なんて危険だろうに・・。人の命を預かってるのに。
カウンセラーも運転手も侮蔑してる。

投稿: ii | 2005/03/10 23:20

普通に車内に無線LAN搭載つけりゃ利用者は増えそうな希ガス。
まぁ全車に搭載したらどんだけコストかかるかはわからんけど。

投稿: 名無しさん | 2005/03/10 23:48

私も今日タクシーで事業ネタ考えてました。
TBさせていただきました。

投稿: p-style | 2005/03/11 03:08

以前乗ったタクシーで、缶ビールとおつまみがサービスで出たことがありました(個人タクシーですが)。
後部座席の真ん中に小さな冷蔵庫がビルトインされていて、好きなだけ(といっても限度がありますが)飲むことができました。
真夜中の遠距離帰宅者ターゲットだからやれるサービスなのでしょうが、個人的には最高のサービスでしたね(^^

投稿: tomber | 2005/03/11 08:49

私はタクシーのっても「話し掛けるなオーラ」を発しているので、あまり話しかけられることはありません。

もしカウンセリングで適当なこと言われたら逆上してしまいそう。

でもホントに事業化できたら凄い話題になりそう!

投稿: ゆり | 2005/03/11 12:43

座席がマッサージ椅子というのは駄目かな?
夜タクシーを使わないといけない状況なら
相当肩凝ってそうだけど。

投稿: 名無しさん | 2005/03/11 21:05

健康な人間以外にカウンセリングをするのは危険極まりますよ。

繰り返すことによって、タクシー運転手自体が発病しますし。

正直、暇は携帯でつぶした方が健全です。カウンセラーが必要なら、携帯電話の向こう側に用意すればいい。

タクシーに必要なのは、むしろ携帯の充電器でしょう。

投稿: EIJI | 2005/03/12 01:36

以前、『ガダラの豚』で呪術師が相談者の悩みや怒りを聞き、それを収める事で
カウンセラーと司法の役割を果たした なんてのもありましたね。

タクシーで問題なのは、カウンセラーを選べない って事ですかねぇ。 人気
カウン・タクは“追っかけ”とか発生したりして。

選べないのを逆手にとって、タクシー自体がオミクジになるとか? ドア開いたら
『本日の運勢は・・凶でーッス』って、そんなクルマにぁ乗らねーだろなー

投稿: じぇい | 2005/03/12 02:05

カウンセリングとなると「医療行為」が想像されるので
もれなくコーチングの研修を受けていただくのではダメでしょうか?
取引先との営業にも活用できるようですし。
(タクシーの運転手さんはピンの営業も同じですよね)
まあ、世の中聞き上手なヒトが本当に少ないと思いますので、
「聞く技術」くらいは導入していただくとお金を払うときに
気持ちよく払えるかもしれません。

ちなみに同僚の女性が、毎回運ちゃんと大喧嘩します。
それこそ「てめえ表へ出ろ」クラスの。ひどいと掴み合い。
私は一度もないんですけど・・・地雷の多いヒトなんでしょうか。

投稿: miyu | 2005/03/14 11:45

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: だれか事業化してくれません?画期的なタクシーのサービス:

» 運転手さんの思い出 [どうでもいいこと]
わたしゃタクシーに乗ったときはいつも適当に運転手さんと世間話をしていますけれど。... [続きを読む]

受信: 2005/03/10 21:54

» コンビニBOX@タクシー [P-styleブログ/コミュニケーション論の周辺@赤坂あたり]
「黒タク」が流行っている。黒塗りの車体で運転手は制帽をかぶり、高級感があるあのタクシーだ。MKタクシーが先陣を切り、日本交通がそれを追う。高級感はあるが値段は普... [続きを読む]

受信: 2005/03/11 03:06

» メイドさんタクシーなんてどうだろか?(←無理) [ひとめぼれ日記]
R30::マーケティング社会時評さんとこで「心理カウンセリングの技術を持ったタク [続きを読む]

受信: 2005/03/11 08:31

» んじゃ製造の段階から [しゅぷ備忘録]
ひとめぼれ日記 さんのところでR30::マーケティング社会時評 さんのタクシーカ [続きを読む]

受信: 2005/03/12 00:39

« 幕張地域が宇宙人に制圧されました | トップページ | 三角合併、一時凍結…そして霞ヶ関の深謀 »