ビバ!ホワイトデー(鬼嫁日記風)
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オープンが、オールドタイプということなのか!

2005/03/18

ガ島さんと転職のこと

 一昨日、東京に来られたガ島通信氏と会って昼飯(カレーライス)食って茶しばいてきた。えーガ島さん、ちょー背高くて(たぶん180cmはある)ちょーイカシたナイスガイだぞ!!いや、マジで。僕が女なら目がはぁと♪になってしまうところだ。あれで独身なんか?!ありえねえ。××(彼の居住地)の女の目はみんな節穴なのか、オイ??

 というのはさておき、彼と1時間半ほどマスコミ、転職絡みのことをいろいろと話し合った。驚くほどお互いに考えていることが似ていたので大笑い。僕的には「ゴールドラッシュの横でジーンズを売る」っていう喩えにはまった。いやあ、楽しかったです。

 ま、彼の転職の真意みたいなものの詳しい中身は彼のコンテンツであるし、そのうちガ島通信で連載があると思うのでここでは語らない。その代わり、転職ということについて語ってみたい。

 1つだけはっきりしていることは、ほとんどの人が転職せずに1つの会社を勤め上げて一生を終えるという時代は、もはや終わったということなんだろうと思う。

 理由は、簡単だ。1つの会社が40年間継続して成長するなんてことはほとんどまれである、ということにみんなが気がついた。それだけのことだ。

 企業の発展は、よく軍事作戦に喩えられる。どんな事業でもその始まりから終わりまでに必要なタイプの人間とは、大きく分けて4種類だ。市場機会があると思われるところに危険を省みずパラシュート降下したり、暗闇に紛れて上陸作戦を敢行したりして橋頭堡を築く「コマンドー」、その地域に橋頭堡が築かれたら集団で上陸し、巧みな波状攻撃でもって戦力を面展開し占領する「歩兵」、そして占領された地域に入って統治し、その地域から上がる収益をなるべく豊かにする「警察」、最後に、侵攻に失敗したり撤退する時に、後ろから追ってくる敵をうまく手なずけて被害を最小限にとどめる「しんがり」だ。

 面白いことに、よほど特殊な分野でもない限り、人は勉強さえすればたいていの分野の軍事作戦をこなすことができる。生まれつき電気製品のビジネスにしかかかわれない人とか、保険以外のどんな事業をやらせても失敗する人、などというのはいない。

 だが、この4種類のうち1人の人間が2種類以上こなせる能力があるケースというのは、極めて稀だ。画期的な技術を開発する技術者が、同時に冷徹な大組織の管理の天才でもあったなどという例は滅多にない。

 どの企業にもこの4種類のタイプの人間がいるが、企業の成長フェーズによって必要なタイプの割合というのは変わってくる。生まれたてのベンチャー企業にはたくさんの「コマンドー」とごくわずかの「歩兵」しかいないだろうが、成長期にはトップ以外にも才能ある「歩兵」の右腕がいなければ会社は回らない。そして、成長の止まった巨大企業では「コマンドー」は慎重に排除され、冷徹な「警察」と場合によっては「しんがり」が、膨大な社員を操ってコストと事業展開領域をコントロールすることになる。

 戦後の焼け野原からずっと、日本の企業は量的拡大を続けてきた。つまり成長軌道に乗ったときのタイプ別社員構成をそのまま微修正程度に維持しながら、事業領域をどんどん拡大し続けることで組織を再生産してきたわけだ。それで戦後50年近くうまくやってきた。

 ところが、バブルが弾けて成長が止まってみると、この成功方程式がまったく通じなくなってしまった。いくらもがけど、本業の周辺に新たな事業拡大の余地はもうない。本当は「警察」と「しんがり」に会社の操舵を任せ、領地の統治に必要最低限の人間以外は切り捨てて新たにまったく別の方面に向けて外部も含めた生きのいい空挺部隊を編成し、侵攻させなければならないところなのに、上層部には未だ「歩兵」出身のボスが居座って、脳天気な突撃命令を繰り返している。おまけにその下には上の突撃命令に盲目的に従うことしか知らない思考停止なミドルしかいないから、本丸の裏手の「株式市場」から、ある日突然ITベンチャーの空挺隊がワラワラと降ってきても、そういうのは見えなかったんだとでも言わんばかりに明後日の方向に突撃するふりを繰り返すのをやめようとしない。

 別に城が落ちてしまっても、社員の方はと言えば、勉強さえし直せば領地を拡大している他の会社に雇ってもらえるわけだから、城とともに自分の地位や老後の報酬が決まる上層部以外は、組織そのものに執着する必要なんかさらさらない。むしろ、「警察」のつもりだった人間が、奇襲攻撃に大慌ての上層部にある日突然「明日から君は敵奇襲部隊迎撃のためのコマンドーを命ずる」とか言われても困る。そもそも本人の能力ではできもしない、やりたくもないことを押しつけられて、不幸になるだけである。

 つまり、量的拡大という大前提が崩れた瞬間に、働く者にとって会社という「殻」が持っていた意味は、根本から変わってしまったのである。

 もちろん、相変わらず成長し続けている企業だって少ないが存在はする。トヨタとかしまむらとか。そういう会社には一生勤め上げることもできるだろうし、実際のところ転職というのはそれはそれで個人にとって結構な一大事なので、転職しなくてもいい境遇というのは、ある意味で「幸せ」ではあるだろう。

 だが、別の意味では会社という枠を超えて自分の人生を自発的に選び取り、エンジョイするという快楽、スリルを味わえずに雇われ人生を終わるというのも、正直もったいないなと思う。まあ、そういうスリルや快楽が要らないという人も世の中にはいると思うので、そんな心配は余計なおせっかいだろうけど。

 ただ、継続的に右肩下がりの、つまり既に保有する領地さえうまく統治できないような会社というのは、よほどの手腕がトップにない限り、社員を幸せにすることはできない。そういう会社にいる若い人は、悪いことは言わないから転職先を探しにかかったほうがいいと思う。

 転職先は、探すだけならタダである。ただし自分にぴったりの仕事が見つかるのはタイミングの問題でもあるから、納得のいく仕事を見つけるには時間をかけなければダメだ。結婚と違って、相手探しにかける時間が少なければ少ないほど、条件の悪い相手しか見つからない(結婚は逆…のような気がする)。僕も前の会社の右肩下がりが3年続き、社内でいろいろと情報収集した結果、さらに今後数年かそれ以上は悪化が続くと見切ってから転職活動を本格化させたが、それでも納得のいく転職先を見つけるのに1年かかった。

 最初の話に戻ると、ガ島さんもある意味、僕と同じようなことを考えての決断だったようだ。繰り返すが、彼と僕に共通するのは、1つの会社に居続ければ、その中で自分が必要な能力も経験も自然のうちに与えてもらえるという時代は、もう終わってしまったという認識だ。

 僕も(たぶん)彼も、前の会社が嫌いではない。むしろ精一杯愛して、自分のため以上に、会社のために働いてきた。でも、その経験から「これ以上ここにいても、この会社に必要とされている能力や経験を、僕は身につけられない」と悟ってしまったのだ。だから、会社という殻の外に出て経験を積み、能力を磨くことにしたのだ。

 こういう考えを言うと、「日本的雇用に対して何でも『米国では~』とアンチを言い張る外国かぶれ」的な目で見る人も少なくない。でもそれは全然違う。米国のマネをしてこういう結論にたどり着いたのではなく、日本の経済社会の仕組みが、あらゆる企業が画一的に量的拡大を続けるなどという戦後経済成長の特殊幻想から完全に解き放たれたというだけの話なのである。

 そんなわけで、ガ島さんにはぜひ転職してからも自分の目標を見失わずにがんばってほしいと思う。彼がまた東京に出てくることがあったら、あのルックスをエサに知り合いの女性を食事に誘うとしよう。

02:29 午後 日記・コラム・つぶやき

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Comments

はじめてコメントさせて頂きます。
確かにそうですね。私も転職したクチですが、視界は開けました。
一説では「(人の)働く事が出来る年数より、会社の寿命の方が短い」と言われます。
そういう意味では、実態が(我々の)意識より先行しているのかもしれません。

POSTED_BY:ノートリアス @2005/03/18 17:45:27

ドラッカーさんが、知識労働者の寿命は企業の寿命より長い、と書いていたことを思い出しました。おいらも自分なりにやってみよっと。

POSTED_BY:ひろ @2005/03/18 17:47:47

知らない人同士がネタかぶり…すごいw>ノートリアスさん、ひろさん

POSTED_BY:R30@管理人 @2005/03/18 18:00:04

> 画期的な技術を開発する技術者が、同時に冷徹な大組織の管理の天才でもあったなどという例は滅多にない。
ロバート・ノイス
ジョージ・フィッシャー
ジャック・ウェルチ
優秀な経営者の中には、優秀な技術者であった例も多い気がしますけど、、、
単なる茶々です。

POSTED_BY:粘着電脳研究家 @2005/03/18 22:10:55

 初めまして。典型的な「コマンドー」タイプの Satoshi と申します。ときどき読ませていただいていましたが、今回の話はとても共感できたので、コメントさせていただいています。この話は転職の話だけでなく、会社経営・運営の面でもとても参考になりますね。世の中が変わりつつあり、会社が変革しなければ存続できないとトップが認識したときに、会社の中の「コマンドー」「歩兵」たちをどうやって新規事業に振り向けて行くかがキーだと思います。とても難しい問題ですが、ソニーの低迷の原因はそこに失敗があったのだと私は見ています。

POSTED_BY:Satoshi @2005/03/19 2:18:14

>彼がまた東京に出てくることがあったら、あのルックスをエサに知り合いの女性を食事に誘うとしよう。

一応、そっと手を上げてみる。(^_^)

POSTED_BY:らむね @2005/03/19 3:11:16

>別に城が落ちてしまっても、社員の方はと言えば、勉強さえし直せば領地を拡大している他の会社に雇ってもらえるわけだから、、、」

若ければいいけど、35以降は難しい。
35過ぎてまで、何してんねんってのはあるけどね。
だから、固執するんだわ、自分の属してる組織の愚劣さをも勘案して、自己保全しないと「アカン」ってさ~。
別の娑婆では、おれは生存不能だと深く認識してるから。
特殊な才能、技能なしでは、35以降の新規採用の口ってないからね。

哀しいけど、それが、「サラリーマン・メンタル」。
でも体は拒否してんだわ、そういう不条理。
俺の周辺もメンタル関連で休職ってのが増加中だよ。
これだけのブログを定期的に表現できる人なら何とかなるやろうけど、世間一般の人では、こういう能力すらないのばっかやん。

POSTED_BY:思遊民 @2005/03/19 6:45:45

そうそう。話すなり、書くなりして、自己表現することでストレス解消につながっているところはありますね。
#R30さんのレベルではないけれど(^^;

POSTED_BY:ひろ @2005/03/19 8:24:08

新聞社の若手記者が若手記者だけの力でユニオンのような会社の壁を超えたネットワークをつくって、
会社に所属するのでなく、そのユニオンを通して提携関係を結ぶというのは、どうじゃ?

芸術家なら、自分の魔境のために孤独に死ぬことができても、
フリーランスでそれも個人だけでジャーナリストになるというのは、
非常に厳しい現実があるかもしれない。

で、ユニオンの一歩に、ブログは協力なツールになるはず。
現場で働いている若手記者たちが匿名ブログジャーナリストになって、
いっしょに協調したり反目したりして、ひとつの事件や社会現象を追及していきつつ、
情報源とか、生活の基盤とかは、表の会社から頂戴して。あはは。
法律に違反しない範囲で利用できることは利用して、別個に取材しつつ。
で、ユニオンができたら、みんなで会社を作って、
ニュースや論説を、大新聞に売ればいいかも。

ワタシは、個人が完全に会社に囲い込まれているのは、好かん!
なので、ライブドアもニッポン放送に対して、
社員には、今までと違う雇用形態を明示して、
社員たち望む企画ができるラジオ放送のビジョンを見せて欲しい。
だって、ラジオ局で働く人には、独特の世界観があって、
それが活かされていないと思うもの。
きっと、本当に流したい音楽とかあるはずだろうし。

POSTED_BY:野猫 @2005/03/19 9:17:51

>>0
 そりゃアレだ。荻生徂徠でも読んどけ。
「田舎の人は土地にしがみついて生きているが都会の人はまるで旅人のような人生を送ってる」って著作で述べてるから。

 10年間で基本職のほかに20数種仕事の掛け持ちやってた(年平均2,3種)私に言わせれば、そんなのごく普通の当たり前の考えでしかないわけですが。
 14,5くらいのときから将来こうなるって見切って今があるわけだから、べつにどーってこたぁないわけですが。そらまぁ、いまがこういう時勢でも已む無しでしょ。

 今さら気付くなよって感じ。

POSTED_BY:うんこ @2005/03/19 16:39:17

あえて「1つの会社に縛られないの」と発言する裏には
「本当は1つの会社で一生面倒見て欲しい」という期待が感じられる。
「でも、現状はそうじゃないし仕方ないよ」と自分を無理に後押ししてるというか。

POSTED_BY:イケメン @2005/03/19 23:11:15

>野猫さん
「記者」とそれ以外の「営業」「庶務」などの部署との異動が頻繁な地方紙ではとても無理かと…< 記者ユニオン

そもそも「記者」のユニオンって何だ…とも思いますが。

POSTED_BY:kaim @2005/03/20 0:29:39

えーーーー無理なのぉ?

思いますが……

その先書いてくだされ>kaimさん

POSTED_BY:野猫 @2005/03/20 9:18:01

>彼がまた東京に出てくることがあったら、あのルックスをエサに知り合いの女性を食事に誘うとしよう。

わたしも、そっと手を上げてみる ( ♂ だけどー)。

POSTED_BY:てけてけ @2005/03/20 20:49:12

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