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ただいま勉強中 GPL改訂問題

2005/01/06

紅白FLASH合戦にみる、コンテスト型企画のイノベーション

kohaku_flash 本当はブログ定休日のはずだったが、昨日更新しなかったので軽いネタふりを。

 毎年年末に楽しみにしているのが、「紅白」である。歌番組の紅白ではない。2ちゃんねる動画板が主催する、「紅白FLASH合戦」だ。これが始まってから、僕は本家のNHK紅白をまったく見なくなった(笑)。

 僕は動画板の住人でもないのであまり詳しくは知らないが、紅白FLASH自体は3年前の第1回からずっと見ている。もともとは動画板のFLASH職人さんたちが「年に1回ぐらいまとめて成果を発表し合おうよ」というような話から始まったイベントだったように思うが、大会前のCM用FLASHからしてものすごいクオリティのものが続々寄せられ、身震いするほど感動したのを覚えている。

 で、本戦の方も超有名コテハン職人さんから無名の新人まで、PV(プロモーション・ビデオ)系から10分をはるかに超えるストーリー物まで様々なジャンルの、30本を上回る数の超力作が集まった。それを1つ1つクリックして出てくる映像を眺めるのは、NHKの紅白を見ているよりずっと面白かった。

 その後、公式スポンサーにマクロメディアが名を連ねるなど、イベントの規模もますます大きくなり、昨年末の第3回ではとうとう出品者も130人+飛び入りを数えるまでになった。僕もさすがにこれだけ並んだFLASHを1つ1つ見ていられないと思い、結局大晦日にはつまみぐい的に3~4点ほど見たところで挫折して寝てしまった。

 130点以上もの作品見て紅か白かに投票しろなんて、もう素人には参加できないイベントになっちゃったな…と思ってしょぼくれていたんだけれど、年が明けて紅白FLASH合戦の公式サイトをもう一度見に行ったところ、団体賞としての紅/白以外に、MVPからストーリー、素材、デザイン、感動、ユーモア、システム、技術まで13もの部門賞が設けられ、それぞれに優れた作品が選出・表彰されていた。

 さすが、名もなき人々の声を受けて果てしなきスクラップ&ビルドが繰り返される世界、2ちゃんねる(笑)。第3回を重ねるまでになったFLASH業界最大のイベントは、今や「紅白」と称しつつその実は「アカデミー賞」に限りなく近づいていたのである(笑)。

 これなら素人である僕のような人間でも、イベントの上澄みの最もいいところだけ味わえる。しかも部門賞に選ばれた各作品を見て改めて感動し、紅白FLASHの作品レベルも年を追うごとにますます上がっていると感じた。(以下FLASHの置かれているサーバが頻繁に変わる場合があるため、個々の作品にいちいちリンクしません。公式サイトから見に行って下さい)

 まずもって、BGMやシナリオのクオリティがすさまじい。感動賞を受賞したnae氏@N-GRAVITYの「ハクシャクノテンシ」は、原作、BGMのクラシックギターともプロによるものだし、システム賞を取った和茶氏@なにかがだめぽの「クリスマス中止撤回!」のJラップは、2ちゃん用語を盛り込んだクリスマスラップソングだが、歌だけでも十分格好いいし、それに映像もばっちり合っている。

 素材だけでなく作品全体の芸術性ということでも、1回目、2回目に比べて明らかにレベルは上がっている。MVPを受賞したみ~や氏の「NIGHTMARE CITY」は(最初のオープニング見てネタ系かと思ったが)最初から最後までこれでもかというほどのスピード感に圧倒されっぱなしだし、素材賞受賞の伊織氏@ミラーボールサテライトの「ベラドンナ」には美麗な写真やデザインがふんだんに使われており、ここまで来るともはや「アート」と形容するほかない。

 ま、あえてわがままを言うなら、テクニックやセンスが高品質過ぎて、絵は適当なコラージュだったりしょぼいだけだったりだけど見ていて吹き出すようなゲリラ風ナンセンス系FLASHが見られなくなったことかな。例えば、G-creatorsで2004年の年間グランプリを受賞していたこちらのような作品は、もはや紅白FLASHには出て来られなくなったということなのかもしれない。これは、出展作品全体のクオリティを上げるためにはある意味仕方ないことではあるのだろうけど。ま、それでもこのイベントは、今年以降もますます進化を続けるのだろうな。

 第3回の紅白FLASH合戦を見ていると、逆にNHK紅白の視聴率がなぜ落ち込み続けているのか、逆によく分かる気がする。紅白FLASHは、観客の楽しみを最大限に引き出すイベントの「仕組みのイノベーション」をたえず試みているのに対し、NHKの方はJ-POPからお笑い、海外のアーティストまで引きずり込んでおきながら、実際のところもう何十年も「出演者が2チームに分かれて出し物を出し合い、最後にどちらかのチームを選ぶ」という仕組みから1歩も出てないのである。

 観客の価値観は常に多様化し続ける。FLASH紅白だって、PV系が楽しみで見るという人もいるだろうし、FLASHと言えばゲームでしょ、という人もいる。僕みたいに、PVも2ちゃんキャラオンパレードもいいけど、それよりかはアート系やストーリー系の秀逸な作品も楽しみたいというわがままな客もいるだろう。

 たいがい、コンテストやランキングの企画というのは、その評価の仕組みそのものがコアバリューなので、1度やって当たったとしても未来永劫同じことをやっていけるわけはないのである。恒例になった企画そのものを盛り上げようと思えば、観客が前回の仕組みに飽きる前に、次の仕組みを考え出してリニューアルし続けなければならない。

 ところが、NHKもそうなんだろうと思うが、コンテストやランキング企画が大当たりすると、たいてい誰もが「今年も同じ企画をやれば、また当たるに違いない。少なくとも大きく外れることはないだろう」と思いこむ。成功体験が長ければ、それだけこの思いこみから逃れられなくなる。

 ところが、観客の方は毎年出てくる表彰者は違っても、評価の仕組みが同じである以上は「傾向と対策」を頭の中でシミュレーションできてしまうことになり、「ま、今年は○○と××がノミネートだろうね」とか「どうせこういう作品が出てくるよ」とか予測する。で、結果がよほど大きく事前予想を外さない限り「なーんだやっぱり思った通りだよね」という感想を持つ。そして、次の年からはもう関心さえも持たない。

 大当たりしたコンテスト形式の企画こそ、常にコンテンツではなく評価の仕組みのイノベーションが必要なのだ。NHKも、いっそ来年から紅白戦を止めて、というか止めなくてもいいけどそれと同時並行でアカデミー賞のような部門賞を作り、「演歌」「J-POP」「アイドル」「コメディ」などジャンルごとのノミネートを並べて選ぶ方式に変えたらどうかと思ったりする。ま、エビジョンイル首領様がいる限りはそんな冒険もできないだろうけどね(ところで、彼の本当の名前って海老何だっけ?)。

 ああ、軽いネタのつもりだったのに全然軽くなくなっちゃったよ。ゴメン>読者の皆さん

(18:00追記)って書いてからエキサイト・ブログニュース見に行ったら、似たようなことを書いていたブログを発見→眠れぬ夜はふりーぱと・・さんのこのエントリ。やっぱり昨年の紅白は相当に寒かったみたいね。しかも既に勝手にアカデミー賞化するサイトまで存在している。ネットってすげえ。というわけで、見ないテレビ番組の批評しかできないR30でした(笑)。

05:09 午後 映画・テレビ

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Comments

自己レスですが、海老沢会長とうとう辞意表明したみたいですね。
http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20050106it13.htm
さて…今年の紅白は変わるでしょうか。

POSTED_BY:R30@管理人 @2005/01/06 22:21:25

ご存知かもしれませんが
菅井家の元サイトが移転してたので。
http://www.dongly.jp/
というかDVD化ってあんた・・・

POSTED_BY:酢豆腐 @2005/01/07 23:51:08

酢豆腐さん、ありがとうございます。リンク先を貼り替えました。

しかしこのFLASH作者、なかなかいいセンスしてますよ。DVD売れるかどうかはまた別問題ですがw こういう人にも細くていいからなるべく長く、FLASH製作を続けてもらいたいもんです。

POSTED_BY:R30@管理人 @2005/01/08 16:49:01

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