リベラルぶりっ子<萌えヲタの時代
Main
ハンドルネーム、変えました

2004/12/19

トートロジーに熱くなる

 最近気に入ってよく読んでいる現代思想の内田樹教授のブログのエントリ「困った人たち」を読んで、爆笑した。

 今日はカミサンと出かけていたのだが、家に帰る途中の電車の中でこのエントリを携帯で読んでいて、吹き出してしまった。「どしたの?」とカミサンが聞くので、その部分(エントリの後半部分)を読ませたのだが、「何が面白いの?」という顔をしている。うーん。。。それって落語の地口オチが何で面白いか説明しろって言われているようなもんなんですが。

 落語の本編のほうは内田教授ブログで読んでいただくとして、それがなぜ面白いか、落語のオチの説明にならないようにちょっと語ってみよう。

 要するに内田教授はトートロジー(同語反復)の話をしているんだけれども、教授の言うとおり、世の中の文系の人っていうのは、自分の論じている内容のトートロジーに意外なほど鈍感だよね。という自分も文系なんだが。正直、これは学生に限らないな、と最近思う。

 内田教授がトートロジーの例として挙げているのは、院生の書いたジェンダー論だが、これって最近議論の熱かったジャーナリズム論についても言える。だいたいマスコミの中の人やそれに絡む人たちもみんな文系ばっかりだから、どいつもこいつも定義をすっぽかして印象論であーだこーだ言うばかり。で、まとめてみると「ジャーナリズムとはジャーナリストの述べたテクストである」「ジャーナリストとはジャーナリズムのテクストを書く人である」っていうところがぐるぐると循環していて、不毛なことこの上ない。

 そこで「あなたの言っていることはトートロジーですよ」って言われるのは、ものをしゃべって飯を食っている人間にとってはもっとも恥ずべきことだと僕は思うのだが、大マスコミ人とかに限ってそのあたり、皆さんカエルの面にションベン並みに無反応ですな。「定義が違うから」とか言って無視すればいいとでも思ってるのかしらん。

 なんでこんなことを延々と書いてるかというと、前のエントリにトラックバックくれたyosomiさんのエントリ読んで「おまいらブログに書くぐらいなんだから、もうちょっと論理的に考えろや」と思ったからなんだが。続編エントリしなくていいから、トートロジーを謝りなさい(笑)。

 ま、それはおいといて、でもこういう命題定義のしにくい問題というのは、往々にして議論が混線するもんだから、多くのブログでエントリがいっせいに乱立して熱いTB祭りになりがち。

 それはそれで面白いっちゃあ面白いのだが、だがしかしいったい誰がトートロジーを述べているに過ぎなくて、いったい誰が議論を前に進めたのかといった検証が、すぐにできないのが難点だよな。2ちゃんねるだと、1つのスレの中に論と反論を述べる奴らがあふれる一方、意味の分かりづらいレスを意訳する奴、それを樹形図にまとめて整理する奴などがどんどん現れて論点が明確になるんだけど。ブログはなまじ長ったらしい文章を書き込めるから、そこらへんが難しい。

 論点整理とか状況俯瞰を専門にするブログというのも、ちょこちょこと出てきてはいるが、やはり今のブログの仕組みだと、ネット上のあちこちにあるエントリをすべて読もうと思えば、ブログからブログへトラックバックを1つ1つ追いかけなければならない。しかもトラックバック打たずにリンクだけしているエントリは、第三者からは追い切れない。2ちゃんねるのスレだけを読み通して整理する「まとめサイト」に比べて、ブログ上の論争をまとめる作業は相当荷が重い。

 トートロジーの起きやすいネタが、ブログ上の話題で流行るという傾向ははっきりあるんじゃないかと思うのだが、これって今はブログの勃興期だからみんな熱くなって飽きもせずにつき合っているが、ブログ熱が冷めたらこんな面倒なこと、もう誰もやらなくなるよな。

 そういう「論争整理」のシステムが登場することを、切に願うものである。

02:27 午前 ウェブログ・ココログ関連

 TrackBack URL:: http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/16309/2308965

TrackBackList::トートロジーに熱くなる

トートロジーというドツボな循環 トラックバック MovableTypeとの比較検討終了 @2004/12/20 11:05:12
今回はできるだけ簡単な内容にしてみよう。R30さんのブログで「トートロジーに熱くなる」というタイトルの回があったのでご紹介する。なお、トートロジーとは「同語反復... 続きを読む

トートロジーとネットワーク トラックバック 無関係な死 出張中 @2004/12/21 0:43:29
 手塚治虫は相当に変な人だったらしい。今ある漫画家のありとあらゆる奇怪なイメージを全て包含したような、とにかくそういう意味でも理想的な漫画家でらしたようだ。ここ... 続きを読む

ブログでの議論を整理するツール (2) トラックバック 鯛、靴、箸 @2004/12/25 14:08:16
先日のツールですが、とりあえずできたので公開します。 「BmfEdit.zip」をダウンロード ブログでの議論(あるいは議論みたいなもの)は、基本的に自分のブロ... 続きを読む

朝日vsNHK大戦 トラックバック そんなnewsは犬も喰わない @2005/01/20 8:26:10
と大盛り上がりした割にはこのショボさ。今回に限ってはNHKのヤル気はおおいに評価 続きを読む

論争整理のシステム トラックバック p0t @2005/01/27 11:46:42
[R30]: トートロジーに熱くなる  トートロジーの起きやすいネタが、ブログ... 続きを読む

Comments

 要はクリエイティブ・コモンズ(GPLでもいいよ)じゃないでしょうか。全文を勝手に取り込んで切り貼りすると著作権的にまずいからトラックバックで済ませるわけで。それさえなければ「まとめサイト」くらいにはなるはず。

POSTED_BY:並河 @2004/12/19 8:51:01

2chの利点って確実にありますよね。
・主張はコンパクトにまとめる(長文ウザー)
・煽りはスルー
あたりはblogだとけっこう忘れがち。
匿名性がもたらすものも大きいんでしょうかね?

で、「論争整理システム」のありかたについての論点整理が必要になる、、と。
R-30さんの仕掛けがウマー。

POSTED_BY:avee @2004/12/20 11:24:15

皆さん、コメントありがとうです。

ウマーなのか?それは本当にウマーなの??>aveeさん
なんか僕にプロマネの負荷が全部かかってきそうな悪寒がするんだが…(爆死

POSTED_BY:R30@管理人 @2004/12/21 13:03:37

いや、、
> 「論争整理システム」のありかたについての論点整理が必要になる
こういうトートロジー的な議論になりそうだったので、洒落がきいてるなと思ってのコメントでした。

net上の議論のプロマネなんて、、googleとか2chとかblogsとかで分散型でやんないとしんじゃいます。

POSTED_BY:avee @2004/12/21 14:45:03

はじめまして。

ご紹介のサイトでなされている話は、どちらかといえば、トートロジーというよりも、矛盾の話ではないかと思うのですが…

ジェンダーフリー活動家がジェンダー差別をし、「誰が女性であり、誰が女性でないかは誰にも決定できない。そのことは、女性自身(←これは誰のこと?)にも理解されていない。」という趣旨(おそらく)の文章があり、「光学的な比喩の枠組みから出ることができなかった」という批判を光学的比喩で行っている、という話ですので。

POSTED_BY:みずすまし @2005/01/17 3:51:14

Post a comment