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2004/12/03

マスゴミの人と議論することの難しさ

 真夜中に「やれやれぇ」とか言いながらビール飲みつつけしかけてたら、本当に始まっちまいましたよ焦土戦争(爆)。切込隊長はんも、オトコですの~。確かに、ニフティーサーブのフォーラムでこんなのあったよな昔。あまりに香ばしくて、もうツリーごと放置モードみたいな不毛の応酬。

 で、反応してるブログとかコメントとか一通り読んで回ったんだけど、なんつーかもうネットジャーナリズムがどーたらいう範疇を超えてるな、これ。「ブログで2ちゃん並みの焦土戦争はどこまで可能か」が裏テーマになってね?(笑)まあ、お二人ともどっちかが音を上げるまでがんばってくださいって思うわけですが。

 でもさあ、やっぱりバラエティ系ブログって同じ話題が延々並んでてもキモイし、やっぱこんな不毛の論争で自分のブログ汚したくないわけさ。それで、その他のROMな方々にも楽しんで(何が論点なのか分かって)もらいたくてオチャラケた(相対化する)書き方しかしてこなかった。

 今もこのスタンスが変わったわけじゃないので、この件でエントリ入れるのはこれで最後にするつもり。それとあらかじめ言っておくけど、僕が見て意味不明と思える非建設的なコメントやTB打ってくる人がいたら、速攻で削除させていただきますんで念のため。

 とはいえ、オチャラケを誤解された挙げ句に全然意味不明のケンカ売られたら、僕としてもちょっと2~3個ばかり買っとくしかないかなあと。

 で、切込ブログにTBスパム送っている団藤氏@ブログ初心者についてですが。

 切込隊長が、そして僕も湯川氏@時事通信も言ってきたのは、「ネット上で意見を書きっ放すだけなら誰だってできるけど、それが知の営為として継続し集積され“続ける”んでなけりゃ、現実社会の中でそれが“ジャーナリズム”であるとは認知されんでしょうよ」ってことなんだよ。湯川vs切込論争の中で提示された「参加型ジャーナリズムの定義」っていうところを読んでもらえれば、その意味が分かると思う。

 で、それに対して団藤氏が最初のエントリで提示したのは、新井直之(75歳)という、共同通信記者を経て創価大学教授になり左派系の立場からマスコミ批評を始めた、しかもインターネットが登場するはるか以前の(1960年代の)論者という、ものすごく香ばしい人のアナクロなジャーナリズムの定義なわけですよ。それでいて切込氏や僕のブログをまったく読んでいないのかというと、「ブログの上で読むのが大変なぐらい長くて、熱い議論が交わされてきました」ってちゃんと書いてるもんだから、「あんた人の話をちゃんと聞いとんのかい」と、切込氏がばっさり斬りかかったわけです。

 ちなみに指摘しておくと、団藤氏が引いた新井直之のジャーナリズムの定義は、「素人がものを言ってもそれはジャーナリズムである」という一点(切込氏による参加型ジャーナリズムの定義のAのみ)しか満たしてないわけだ。

 ところが、これに対して団藤氏の反論がめちゃくちゃ痛々しい。「切込隊長はマスメディアのことをジャーナリズムと置き換えても何の不自然さもない」という彼の指摘(批判??)は、彼の最初のエントリが引用しているソキウスの「ジャーナリズム論」の一番最初に書かれているくだりをそのまま切込氏に投げ返しただけなのであるが、何の反論にもなってないわけだ。だって切込氏や湯川氏は、まさに産業としてのネット・ジャーナリズムについて議論してきたのであって、別に75歳の赤くて創価の爺ちゃんが唱えるジャーナリズムの理念について議論してきたわけではないからである。

 この、論理的に自分の立ち位置をまったく自覚していない痛々しさに加えて、団藤氏が決定的に口をすべらしたなあと思うのは、彼が反論エントリの中に、

はっきり言って、私には「切込隊長」氏がジャーナリストたろうとしているとは思えない。
 という一文を書いちゃったことだ。

 なぜなら、彼は最初のエントリで「ジャーナリズムとは『隠されがちな事実を伝え、見えなかった意味を言う』ことなのです。これはプロにも素人にも限定されません。」と定義し、さらにその後の引用で、何が目から鱗なのかよく分からないが、自分の意見を言うこともジャーナリズムに含まれる意のことを言っている。だったら切込隊長ブログなんてジャーナリズムそのものじゃないですか。

 真っ向から反論するつもりなら、頭を冷やして筆が走るのを抑え、「私には切込隊長氏の言っているものだけがジャーナリズムだとは思わない」、と冷静に書いておくべきだったろう。あのくだりに対して謝罪を書かない限り、団藤氏は完全に論理破綻していると言われても否定できまい。

 さて、返す刀で団藤氏以外のブログ・コメントについてもざっと紹介&補足を述べておく。

 「finalventの日記」でも、この件が触れられていたが、finalvent氏はこの論争の意味不明さについてぼやくと同時に、団藤ブログが一般のブログとは違う不思議な香ばしさを漂わせていることもそれとなく指摘している。まあ、言うなればこいつ第2のキムタケを目指してるんじゃないか?ってことでしょうね。僕もそう思いますハイ。

 次に、このブログにもTBを送ってくれた「at most countable」さんのとこ。風邪をこじらせてらっしゃるようで、まずはお大事に。で、僕の前のエントリの「スポーツは参加型ジャーナリズムの安全ゾーン」ってコメントしたのにひっかかってらっしゃるみたい。ので、補足しておきます。

 切込氏や湯川氏、そして僕が可能性について議論している「ジャーナリズム」が想定する対象は、企業、政治といった「当事者たちがそもそも外野からあーだこーだ論評されたくないと思っている、論評されること自体が彼らの食い扶持にとって時に死活問題になる」といった領域なんだと思う。その意味で、人口に膾炙してナンボ、チョーさんでもナベツネでも何でも良いから話題振りまいてナンボ、のスポーツとはちょっとワケが違うよ、と言いたかったのだ。

 実際、スポーツでも試合内容や業界動向の批評とかはサポティスタみたいな掲示板+まとめサイトが存在して機能してるわけだし。だけどサポティスタの浜村さんとか岡田さんが、ネット上のサポティスタそのもので「食っている」かというとこれは否だ。あちこちの雑誌に連載を持ったり、本を出したりして生活してるわけで、その意味ではサポティスタは「参加型ジャーナリズム」の機能の完成形ではあるけれども、ビジネスとしてsustainableであるかと言えばそうではない。

 僕や切込隊長、そして湯川氏らが恐らく夢想しているのは、浜村さんや岡田さんがウェブのサポティスタだけで食っていけるような世の中なのだ。で、それにはどうしたらいいんだろね?技術?それとも資本?それとも人?みたいな議論が、今行われてるネット・ジャーナリズムの議論だと思うのですよ。

 次。参加型ジャーナリズムを卒論にしたというyosomiさんとこのエントリ。貴方も切込隊長に劣らずオトコですね。がんばってください。で、彼のコメント「(マスメディアの中の人で)経営感覚に関する主張をしている人がほとんどいない。お金持ちが多いんだ、きっと。」いいとこついてきますねえ。団藤氏もお金持ちなんですよ、きっと。研究の成果、楽しみにしてますよホントに。ぜひ大手新聞社各社に経営の詳細をヒアリングしに行ってみてくださいな。んで、書けたらネットで公開してね。

 TBくれたmiamotoさんとこのエントリ。「R30タソのゆるーいエントリーに激しく共感」アリガトーゴザイマース(笑)。とりあえずこれが一般人の反応ですよ?>団藤タソ

 で、最後に団藤先生の反論エントリの一番最後に戻る。

 ところで「R30」氏は「ネットジャーナリズム・ウヨサヨ論」で「何で切込隊長とか湯川氏とか僕とかがこんなに口角泡をとばしてネットジャーナリズムの産業化の可能性について議論してるのか、全然わかんなくなっちゃうじゃーん」とおっしゃっている。お気遣い無く、ご自分のペースで議論をされたらと思う。
 「ご自分のペース」って何デスカ?絡んできたの、貴方ですが何か?自分の言ってることの意味、分かってるのかなこの人。マスゴミに20年も漬かった人と議論するの、本当に難しいですわ。(byまだ9年目の小僧)

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コメント

9年よりは長く、20年よりは短い小(?)僧ですが、ブログを始めるに当たって団藤氏のような発想はかすめもしなかったですね。いかにして本業との相乗効果を図るか、そのためにはどのように展開すればいいのか、日々悩んでおります。基本的には会社の対応が超スローなため、ある程度雇われの立場をリスクに晒しながら、マニアック金融ブログを書き続けています。最近の特徴、ヒット数は少ないが、コメントは多い。まるでニフティの金融プロフェッショナルフォーラム(懐かしい)だなあ、こりゃ。予想した展開だが、ここからが難しい。さあ、どーする。個人的にはこれでもいいし、十分に楽しい。しかしなあ…、というこのごろ。「切込隊長」の経済金融、経営関係のエントリーはそこら辺のアナリスト・エコノミストの分析、某大手経済メディアの論評より凄まじく切れがいい、と思っているのですが、それが「ジャーナリストたろうとしていない」は目が点になりました。本当は論争に堂々参戦すべきでしょうが、目の前のブログ展開にちょっと専念したいので、端っこにぶら下がらせてください。R30さん、同業として応援します。

投稿: 匿名記者 | 2004/12/03 21:20

コメントありがとうございます>匿名記者さん
なんか、当のご本人はあっさり白旗上げられたようですね。
http://dando.exblog.jp/1272011/">http://dando.exblog.jp/1272011/
既存のマスコミ人で気骨のある方が、切込隊長みたいな人と真っ向からノーガードで打ち合いするの、本当はすごく見てみたかったんスけどね(笑)。ちょっとがっかりです。

切込ブログはコンテンツのカバレッジも集まる人数も多すぎて一般人のブログ運営の参考にはならないと思います。僕みたいにコンテンツのカバレッジを広げつつ、ニュースリンクサイトに拾ってもらうのを楽しみにしつつ固定読者を増やすっていうのもありだけど、一方でニッチの話題に特化してその分野のネットワークを媒介する役回りを演じるというのも手です。そして、それこそが専門的ジャーナリストのこれからの主な役割になると僕は思っています。

そういう意味で、無理に「論戦に堂々参戦」する必要もないと思いますよ。金融マクロ系のネタはそもそも関心を持つ人が極めて少ないし、切込ブログみたいな大手から客を引っ張ってきても、今いる固定客にとっては毒にも薬にもならないし。より広いオーディエンス向けの論戦に参加するなら、それはそれで別のブログを立ち上げるという手もあると思います。

いずれにせよ、匿名記者さんが優れた「ゲートキーパー」の役割を担えるジャーナリストになられるよう、応援しています。

投稿: R30@管理人 | 2004/12/04 01:11

不躾なお願いなんですが、本文の文字の色を、できたら、
「R30::マーケティング社会時評
~きまぐれ偏拾帖リターンズ~」
のタイトル文字と同じ、明るい灰色にしてもらえないかしら。
密かな読者としての願いです。

投稿: 野猫 | 2004/12/04 08:16

コメントありがとうございます>野猫さん

このデザインはいろいろな人から「見にくい」と批判されるのですが、僕自身でいろいろと試行錯誤した末のものなので、しばらく変えるつもりはありません。

ご要望をいただいたのに大変申し訳ないのですが、「あえて」やっていることですのでご理解いただければ。

投稿: R30@管理人 | 2004/12/04 18:38

了解!

もし直したくなりましたら↓を変更されてたくなったら、
スタイルシートの一番下に追加すれば簡単かも。
.content {
color: #FF9900;
}
.content p {
color: #FF9900;
}

投稿: 野猫 | 2004/12/04 20:22

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